第五十三話 ノーザン=クロス
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
これが彼の返答だった。
「それはだ」
「決まっていますか」
「一戦交えてそれで下がるぞ」
「わかりました」
「ではだ。何人か出撃しろ」
今回は総員ではなかった。
「それでいいな」
「わかりました。それでは」
「今からね」
ボビーも頷いてだった。それでだった。
オズマ他数人が出撃する。オズマはまずはルカに言った。
「どうした?悩んでいるな」
「えっ・・・・・・」
「それで残ったってことか」
「僕は別に」
ルカはオズマのその言葉を否定しようとした。
「何もありません」
「それならもっと毅然としていろ」
こうルカに言う。
「悩んでも仕方ない」
「ですがそれでもです」
ルカは半ば居直ったようにして言ってきた。
「僕は。フロンティアと」
「それが御前の選んだ道なのか」
オズマはまたルカに問うた。
「それが」
「はい、そうです」
「なら胸を張れ」
また告げるオズマだった。
「いいな。正しい道だと思うのならな」
「隊長・・・・・・」
「そしてだ」
今度は赤が入ったバルキリーを見て言うのだった。
「御前はどうなのだ、アルト」
「くっ、俺か!」
「そうだ。御前は何の為に戦っている」
「何であんたがそう言えるんだ!」
こう言って反論するアルトだった。
「あんたが、何でだ!」
「俺がか」
「あんたは何の為に戦っている!」
オズマにそのまま問い返す。
「あんたはだ。何の為にだ!」
「それはもうはっきりしている」
「はっきりしている!?」
「そうだ、俺は女の為に戦っている」
そうしているというのである。
「俺の大切な女達の為にな」
「なっ、女達の」
「あいつは自分の道を選んだ」
オズマはこうも言うのだった。
「御前はどうなんだ」
「俺はだってのかよ!」
「そうだ、御前は自分で道を選んでいるか」
交戦しながら問い返す。
「流されてはいないか」
「くっ、それは」
「言っておくことはこれだけだ」
こう話してであった。
オズマとアルトの機体が交差した。オズマは機体を逆さにしている。それでだ。アルトを見上げる形になってそのうえで見合うのだった。
「また会おう」
「まただってのかよ!」
「多分な。すぐに会うことになる」
こう話すのだった。
「それではだ」
「ちっ、何だってんだよ」
今のアルトは歯噛みしかできなかった。
「どいつもこいつも。ロンド=ベルに行きやがって」
「まさかギガンティックの方々まで行かれるとは」
ルカも困った顔で話した。
「ロンド=ベルで残ったのは」
「まずは俺達だな」
「それとミシェル先輩とクラン大尉だけですよね」
「ああ、そうだな」
「これからが心配ですが」
「心配しても仕方がな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ