第五十二話 ダイアモンド=クレバス
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だな」
彼も言った。
「ここは」
「閣下」
そしてだった。タバコを吸おうとしたところで前から声がした。
「御無事でしたか」
「レオン君か」
「はい、御無事で何よりです」
まずは慇懃に返す彼だった。
「心配しておりました」
「うむ、それでだが」
「はい」
「すぐに非常事態宣言を行う」
大統領はこう彼に告げた。
「いいな、それで」
「わかりました。ただ」
「ただ。どうしたのかね」
「後は私にお任せ下さい」
にやりと笑ってだ。大統領に告げた。
「どうか」
「!?どういうことだね、それは」
大統領が煙草に火を点けた瞬間だった。全ては終わった。
そしてだ。オズマとキャサリンがその場に向かっていた。
「早く行かないとな」
「ええ」
キャサリンはオズマのその言葉に頷いていた。
「お父様が」
「ああ、あいつは絶対にやる」
オズマは確信していた。
「だからだ」
「そして自分が権力の座について」
「そんなことさせてたまるか」
オズマの偽らざる本音であった。
「絶対にだ」
「ええ、だからこそ」
こうしてその隠された通路に向かう。しかしだった。
手遅れだった。もう倒れてしまっていたのだ。
「なっ・・・・・・」
「そんな・・・・・・」
オズマは呆然となりキャサリンは立ち尽くす。全ては遅かった。
そしてだ。ランカはだ。今はアルトと共にいた。彼と学園で会ったのだ。
「アルト君、どうしてここに?」
「残っている奴がいないか気になってな」
「それでなの」
「ああ、それで御前がいたんだけれどな」
「ねえ、アルト君」
ここでそのランカが俯いて彼に言ってきた。
「あのね、私ね」
「どうしたんだ?」
「ずっとあの子探していたの」
「あのペットか」
「うん、それで今さっき見つけたわ」
こう言うのであった。
「けれど」
「けれど。どうしたんだよ」
「見て」
するとだった。マンタを思わせる緑の生物が出て来た。それは。
「なっ、バジュラだと!?」
「待って!」
アルトが銃を構えたところで彼を止めた。
「撃たないで!」
「しかしこいつは」
「この子は悪くないの!」
こう言ってそのバジュラの前に立つ。
「だから撃たないで!」
「こいつはバジュラだ」
だがアルトも言う。
「生きるか死ぬかなんだよ、もう」
「けれどこの子は」
「くっ・・・・・・」
「それでね。私考えたんだけれど」
ランカは再び俯いた。そのうえでアルトに話す。
「これからは」
「どうだっていうんだ?」
「俺と共に旅をすることになった」
ここでだ。ブレラが出て来た。
「この銀河をな」
「旅!?何を言ってるんだ」
「何もない。旅だ」
こう返すブレラだった
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