第五十話 グッバイ=シスター
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第五十話 グッバイ=シスター
ミシェルはだ。今クランと会っていた。場所は屋外のレストランだった。
そのクランがだ。むくれていた。
「一体何の用だ」
「何の用かって?」
「そうだ、何の用だ」
こうミシェルに言うのである。
「私は忙しいのだぞ」
「忙しいって今日お互いに非番だろ」
ミシェルは少しきょとんとした顔で言葉を返した。
「それでか?」
「それでもだ。私は忙しいのだ」
「ああ、そういえば」
ここでクランは言った。
「あれだったな。大学に通ってるんだよな」
「シティ7のな」
「それで今はフロンティアのか」
「そうだ。それで何の用だ」
また言うクランだった。
「何故ここに呼んだ」
「まあ大した用じゃないんだけれどな」
ミシェルは普段の態度のままである。
「ちょっと気になることがあるんだよ」
「気になることか」
「御前の声ってあれだよな」
声の話だった。
「ミリアリアちゃんと同じだよな」
「その話か」
「似てるなんてものじゃないだろ」
また言うのであった。
「そう思うんだがどうなんだ?」
「そう言う御前は何だ」
クランも真剣な顔で返す。
「御前の声もだ。ティエリアそっくりではないか」
「そうなんだよな。ルカもルカであれだしな」
「斗牙だな」
「そうだよな・・・・・・んっ!?」
「どうした?」
「おい、あれ」
レストランの下を指し示すのだった。
「隠れるぞ」
「何かわからないがわかった」
クランはミシェルのその言葉に頷いた。
「それではな」
「ああ。あれを見ろ」
二人は隠れてミシェルのその指し示したものを見た。
「ルカが」
「あの車は」
見れば政府の車だった。しかも多くの黒い服の男達も一緒にいる。一目見ただけで尋常な様子ではないのがわかる。ルカはその車に乗った。
「どういうことだ、これは」
「わからない。フロンティアの政府と接触しているのは間違いないが」
「それだけだな。一体何なんだ?」
今はそれはわからなかった。だが二人はそれを見た。
そしてである。オズマはだ。キャスリンの部屋で彼女と話をしていた。彼はまずは自分が今食べているそのパインケーキのことを話した。
「久し振りだがな」
「どうだったかしら」
「いいものだな」
こう言うのだった。
「料理の腕は落ちていないな」
「そう。それはよかったわ」
「俺が作るとどうもな」
ここで苦笑いを浮かべるオズマだった。
「まずいと言われるからな」
「妹さんになのね」
「どうしたものかな」
困った顔での言葉だった。
「これは」
「やっぱりあれじゃないかしら」
「あれか?」
「センスね」
キャスリンはこの言葉を出してきたのである。
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