第四十七話 二人の決断
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だった。今その剣でだ。
「天!空!剣!」
その剣を高々と振りかざして宇宙怪獣に襲い掛かる。
そして切り抜き。言った。
「ブイの字斬りーーーーーーーーっ!!」
「健一、御前もまた」
「余達に見せるか」
「兄さん、リヒテル!」
健一もまた二人に対して告げた。
「俺の、俺達の言いたいことはわかる筈だ!」
「そうでごわす、兄さんは!」
「死んじゃいけないんだ!」
大次郎と日吉も続く。
「ここは生きるでごわす!」
「ボアザンの為にも!」
「・・・・・・そうか」
ここでだ。遂にハイネルは言った。
「そこまで言うか」
「何度でも言う!そして見せてやる!」
これもまた健一の言葉だ。
「俺の、俺達のこの心を!」
「だから兄さん、どうか!」
「死ぬなんて思わないでくれよ!」
「・・・・・・わかった」
ここでだ。ハイネルは遂に頷いた。
「弟達よ。それではだ」
「兄さん、やっと」
「わかってくれたでごわすか」
「そうなんだね」
「その通りだ。御前達の心、確かに余に届いた」
その言葉に曇りはなかった。
「そしてだ。余も決めた」
「よし、それなら!」
「今から一緒でごわす!」
「ボアザンに!」
「行く、そして生きよう」
彼はまた言ってみせた。
「そしてそこで余の決意を見せよう」
「余もだ」
今度はリヒテルが言った。
「余もだ。その心を見せよう」
「リヒテル、御前もなんだな」
「ハイネルと同じだ、そなた等の心がわかった」
だからだというのである。
「共にボアザンに向かい。そこで余の決意を見せよう」
「生きてなんだな」
「死なぬ」
リヒテルもまた断言だった。
「やはり余もまた」
「そういうことだ、リヒテル」
他ならぬ一矢の言葉だ。
「過去を悔いているな」
「その通りだ」
「なら余計にだ」
「生きるのか」
「そうだ、生きろ」
一矢の言葉は変わらない。
「わかったな。生きろ」
「わかった。それではだ」
「そしてバームの民を導いてくれ」
「地球人との架け橋はか」
「俺とエリカがやらせてもらう」
それはだというのだ。
「それに御前は一人じゃない」
「バームに戻ってもか」
「ハレックもいる。バームの人達がいる」
彼等がだというのだ。
「その人達が御前を待っているんだ」
「余を。同胞達がか」
「そういうことだ。死ぬな」
「そうだな。それではだ」
これで完全に考えが決まったのだった。
ハイネルもだった。あらためて弟達に話していた。
「健一、大次郎、日吉」
「ああ、兄さん」
「そうでごわすな」
「これからだね」
「ボアザンの夜明けがはじまる」
彼は既にそれを見ていた。
「そしてそれをか」
「兄さんが導くんだ」
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