第四十六話 もう一つの母星ボアザン
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は京四郎だった。
「生真面目で高潔だ。そして周りが見えていない」
「周りが見えていない」
「それもあると」
「それが問題だ。自分達がやるべきことがわかっていない」
こう指摘するのだった。
「それがだ」
「それってつまりは」
ナナが彼に問い返した。
「ハイネルさんのやるべきことはボアザンを解放してからもあるってこと?」
「さっきダッカーの旦那が言ったな」
京四郎はこうナナに話した。
「そういうことだ」
「それなの」
「そうだ、ハイネルのやるべきことはそこからが本当だ」
「そしてボアザンを導くのね」
「それができることはあいつしかいない」
京四郎は言い切りさえした。
「俺はそう思うがな」
「となるとだ」
一矢もここであることがわかった。
「リヒテルもまた」
「そうよね」
「そうなるよな」
皆もここでわかった。
「バームを導けるのって」
「あの人しかいない」
「だから終わりじゃない」
「リヒテルはそれに気付いていないんだ」
一矢はまた言った。
「自分のするべきことに」
「一矢さんとエリカさんが架け橋になって」
「そしてリヒテルさんが導く」
「そういうことなのね」
「俺も今わかったような気がする」
一矢は言うのだった。
「リヒテルは。今死んだらいけない」
「兄さんも」
健一も言った。
「ここで死んだらいけない。ボアザンの為にも」
「その通りだな。ハイネルは死なせてはいけない」
剛博士も言った。
「何としても」
「よし、それなら」
「二人に会ったら」
「絶対に死なせるか!」
「ボアザンとバームの為に!」
こう決意してだ。彼等はボアザンに向かう。そうしてだった。
やがてボアザン星の手前に来る。そこでだ。
「来ました!」
「ロンド=ベルです!」
「奴等がです!」
ボアザン軍の間で報告が飛び交う。
「遂に来ました」
「司令、ここは」
「どうされますか」
「決まっている」
こう答えたのは人相の悪い角のある男だった。
「奴等を迎え撃つ」
「ではグルル将軍」
「予定通りですね」
「奴等にあの罠を」
「仕掛けますね」
「そうする。いいな」
こう部下達に言うのだった。
「準備はいいな」
「はい、既に」
「万端整っています」
「後は奴等が来た時に仕掛けるだけです」
「それだけです」
「よし」
そこまで聞いて満足した顔で頷くグルルだった。そうしてだった。
彼等は布陣しロンド=ベルを迎え撃つ。そこに彼等が来た。
「数は四百万か」
「じゃあ後は本星に残っているんだ」
「そういうことね」
皆このことを冷静に分析した。
「ただ。何かね」
「余裕がある?」
「確かに」
布陣するボアザン軍を見てこのことを
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ