第四幕その七
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ツィオは首を傾げて言った。
「いや、さっき花がそうとか言ってたな。すみれの花らしいけれど」
「すみれの!?」
ミショネはそれを聞いて顔を再び蒼白にさせた。
「うん、何か心当たりがあるのかい?僕が贈ったとか言っていたけれど」
「はい。・・・・・・そうか、わかりましたよ」
ミショネは小箱を取った。そしてそこにある手紙を見せた。
「この文字に心当たりはありませんか!?」
「これは女の人の字だね」
マウリツィオはその字を見ながら言った。
「これは・・・・・・確か・・・・・・」
彼は丹念にその字を見る。そして思い出した。
「ブィヨン公爵夫人の字だ!」
「まさか・・・・・・!」
ミショネはその言葉にハッとした。
「そうだ、全てはわかったぞ!彼女はすみれの花に毒を仕込ませていたんだ!」
「何と・・・・・・。何と怖ろしい事を・・・・・・」
ミショネは愕然とした。彼女の残忍さと憎悪の凄まじさに身震いした。
花が消えた暖炉を見る。憎しみを染み込ませた恐ろしい花はもうそこにはなかった。
「とすると彼女は・・・・・・」
アドリアーナを見る。マウリツィオの腕の中で目を覚まそうとしている。
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