第四幕その三
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したか?」
彼女はふと気付いて皆に尋ねた。
「ええ、一つ大事件がありまして」
「大事件?」
庶民の言葉に対し彼女は尋ねた。
「はい、デュクロの事で」
「彼女の?」
「そうです、公爵と別れたんですよ」
高官が真剣な表情で言った。
「えっ、本当ですか?」
「はい、まあ公爵が飽きられたと言う方が適切でしょうかね」
「あの公爵も女好きですし」
「もういいお年だというのに」
女優達もその話について言う。
「それで今彼女はどうしていますか?」
「変わりありませんよ。そんなヤワな人ではありませんし」
「はい。今は新しいパトロンを見つけちゃいまして」
「それも美男のオルレアン公爵」
「こちらの方がお若いしいいかも」
「それはまた・・・・・・。彼女は相変わらずみたいですね」
アドリアーナはそう言って苦笑した。デュクロとはライバル同士だが同時に友人でもあるのだ。
「はい。歌ではやされているのに全く気にしていませんしね」
「そこら辺は本当に凄いというか流石というか」
「歌、ですか?」
アドリアーナは男優達の言葉に反応した。
「ええ、今パリで流行っているんですけれどね」
「知りませんか?」
「生憎。どんな歌ですか?」
「お聴きになりたいの?」
「ええまあ」
姫君の言葉に答えた。
「それでは」
「さん、、はい」
女神が音頭を取った。そして四人は歌いはじめた。
「昔々一人のお年寄りの公爵がおられました。もういいお年なのにケチでとても女好きでした。女の子を口説くのにいつもお薬と魔法を使う悪い魔法使いでもありました」
「公爵の歌みたいですね」
「まあ最初の方は」
「面白くなるのはこれからです」
男優達はアドリアーナの言葉に答えた。そして歌を再開した。
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