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万華鏡
第十八話 プールその八

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「サウナの中にいる様なものだから」
「琴乃ちゃんの中学はそうだったのね」
「里香ちゃんのところは違ったの?」
「八条学園じゃないけれど」
 こう前置きしての言葉だった。
「私中学も私立だったから」
「クーラーとかあったのね」
「そうだったの。ミッション系の私立に通ってたの」
「ふうん、そうだったの」
「それでこっちに移ってきたの」
「どうしてこっちに移ってきたの?」
 琴乃は里香が八条学園に移った理由を尋ねた。
「それはどうしてなの?」
「うん、その学校高校まではあったの」
「大学はなかったのね」
「そうなの。それで高校から勉強してってお父さんとお母さんが話して」
 それで高校は八条学園になったというのだ。
「八条大学って医学部もあるしね」
「里香ちゃんのお家お医者さんだからよね」
「そう、それでなの」
 それもあってだというのだ。
「高校からはこっちなのよ」
「成程、そうだったのね」
「いい高校よね、八条高校って」
「そうよね。噂には聞いてたけれど」
「色々な場所もあるし」
 それにだった。
「皆もいるから」
「プラネッツの皆?」
「ずっと部活もしてなかったけれど」
 里香は笑ってこの話もした。
「してみるとね」
「いいわよね、部活って」
「本当にね。三年間ずっといたいわ」
「もう一年は?」
「大学でね」
 その分は上にあがってからとだ、くすりと笑って琴乃に答えた。
「そうするわ」
「そうきたわね」
「ええ、バンドは大学でも出来るわよね」
「それはね。高校の三年にね」
 それにだった。
「それからもずっと出来るから」
「今じゃ四十になってもやってる人いるし」
 そうなっていた。
「だからずっとね」
「やりたいのね」
「そう思ってるの、今は」
 こう琴乃に話す里香だった。
「いいってね」
「そうよね。それでだけれど」
「それで?」
「プール大丈夫よね」
 琴乃は話題をここに移した。
「そっちは」
「あっ、プールね」
「泳げるわよね」
「体育はあまり得意じゃないけれど」
 それでもだというのだ。
「水泳は出来るの」
「そうなの」
「自転車と水泳は子供の頃にお母さんに教えてもらったの」
「その二つはなのね」
「痴漢も自転車で逃げられるし」
 走ってである。
「水泳もね。いざって時に」
「溺れない為によね」
「そう、それでね」
 教えてもらったというのだ。
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