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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
ヴァルキリー隊
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の事はしていないのだから。
「確かにそうかもしれないが…」
俺の言葉に何か感じたのだろう。伊隅は視線を俺から逸らし、複雑な表情を浮かべる。
隊の皆の命を預かる伊隅は容易な判断を下す事は許されない。もしかしたら、その容易な判断が皆の命を奪うかもしれないのだから。
だからこそ伊隅は俺の意見を素直に受け止めず、ああ言ったのだろう。今の実力で速度を求め、無理に前に出でも皆が死ぬ可能性が上がる。その事にも気づき、恐らくはああ言ったのだと思う。上の人間としては正しい選択だと俺は思うからこそ、これ以上は何も言わない。否、いえない。
「…すまない。少し意地悪だったかもしれん」
「いや、いいんだ。お前が私達の動きをしっかりと見ていてくれた事ははっきりと伝わった。今度の訓練では速度重視を視野に入れて行う」
「有難う。邪魔して悪かったな。俺は戻る事にする」
その場の雰囲気が何ともいえぬ雰囲気になってしまった為、俺はいち早くその場から足を退ける事にした。まさかこんな雰囲気になるとは思っていなかったのだろう、涼宮中尉は案の定俺の後ろで戸惑っている。
伊隅達は伊隅達で俺に何かいいたそうだが、何か言われる前に俺は背を向け、格納庫から出た。
…二日目にして早速やらかした気分だ。やはり今まで人とのコミュニケーションが少なかった分、難しいな。これから大丈夫だろうか。
そんな不安が俺の中に芽生え始めるが、悩んでいても仕方がない。今は自分がやれる事をやるしかない。そう判断し、先程の事については頭から消し去る。
部屋に戻ってもやる事がないな…武装の事に関して香月に相談してみるか?
先の訓練映像を見ていて幾つかの武装が思い浮かんだので、それを香月に相談してみるのは有りかもしれない。…思い浮かんだ、と言うのには語弊があるが、この世界にレーザー兵器などがない以上、思い浮かんだでも間違いはないだろう。
――――――――――
歩くこと数分。香月の部屋の前に辿り着いたので、扉の前に立ち、数回扉を叩く。
…。
だが中から返事は返ってこない。いないのか?と言う疑問が沸いて来るが、一応ノックはしたので、中に入ることにする。
初日に香月本人から渡されたカードを通し、扉を開き中を確認する。相変わらず書類などが散乱しており、散らかっている様子だが、そんな部屋の中にしっかりと香月は居た。コンピューターを熱心に見ている当たり仕事の途中だったのだろう。
邪魔してはいけないな。そう思い扉を閉めようとしたのだが、そのタイミングで丁度香月と視線が合った。
「あら、居たのね」
「一応な。邪魔ならまた時間を置くが?」
「構わないわよ。入りなさい」
本人からの許可も貰ったので
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