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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
ヴァルキリー隊
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格納庫の方へと向かい、休んでいる伊隅達に声を掛けると驚きの声を上げられた。俺が皆の様子を見ていた事を知っていたのは涼宮中尉と速瀬だけだったからな。この様子を見る限り、速瀬は俺が見ている事を皆に言わなかったのだろう。

「まさか見ていたのか?」

「ああ、一応な」

「そうか…何か思う所はあったか?」

「そうだな。隊に入ったばかりの俺が言うのはおこがましいかもしれないが、皆HIVE進行の速度が圧倒的に足りない。それと一々BETAを相手にしすぎだ」

「中々に厳しい事を言ってくれるな」

 確かにBETAが無数に出てくるHIVE内で速度を上げろ、BETAを倒すな、と言う言葉はかなり無理があるかもしれない。だが、それがHIVE攻略に直結する事は白銀の映像により実証済みだ。その実現が難しくとも、実現しなければ死ぬのは自分自身だ。

「だが事実だ。HIVE攻略に置ける最大の目標はBETAの駆逐ではなく、反応炉の破壊の筈だ」

「…確かにそうだが、無数に出てくるBETAを抜ける事は中々に難しいぞ?」

 まぁ…そうだろうな。あんな無茶な機動を出来るのは白銀ぐらいだろう。まだ基本的な衛士の操縦、と言うものを見ていないから伊隅達が普通に見えてしまう。だが、この部隊が香月の直属である以上、ここにいるメンバーは皆、腕は確かな筈。だからこそコツさえ掴めば皆一気に伸びるとは思うのだが…。

 伊隅達の方にも言い分がある以上、俺も強くは言えない。白銀本人に指導してもらう手段はあるが…あいつはあいつで守るべき存在がいる。無駄な迷惑は掛けたくない。

 となると俺本人が教えれるのが一番なのだが…如何せん戦術機を操縦出来ないのが現状。これは今日からでも訓練を始めた方がいいかもしれない。今の現状で甘んじてはいけない。この世界はそんな事で生き抜ける程優しくはないだろう。

 俺を含めたこのメンバーの生存率を少しでも上げる為に戦術機の操作を先ずは覚えるとしよう。そして操作を覚えると同時に各BETAに対する処理法を考え、最も有効な作戦を練る。対人戦も一応想定しシミュレーターは行うが、対人戦に関しては個々にいる誰よりも優れていると自負している。

「それもそうだな。まぁ俺の言った事は頭の片隅にでも覚えておいてくれればそれでいいさ」

 そんな俺の言葉に伊隅達は少しばかり顔を顰める。

「思った以上に簡単に引くのだな」

「まぁ…な。今現状でお前達に対して強く言える権利は持ち合わせていない。俺の言葉をどう受け止めるかはお前達次第なんだ。あくまで俺は一メンバー。上官ではない」

 辛辣な言葉かもしれないが、これが事実。

 ヴァルキリー隊の皆も昨日突然現れた人間の言葉をすぐさまに信用する事は出来ないだろう。俺はまだ皆の信用を得る程
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