第十三話 結界、勧誘
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也。
封時結界は難度の高い特殊な結界である。
その運用には大きな集中力とセンスがどうしても必要になってくる。
「グレイルやランディさんのようにそちら側のセンスがあればいいわ。だけど私たちにそれはないでしょう?」
センスなしに運用を行おうとすると、どうしても余計な集中力と思考のリソースを割く必要がある。
誠也も今回の相手には一度苦戦させられてしまっていたし、あの状態から集中力がさらに削られれば、恐らく勝つことは不可能に近い。
「今の時間軸で戦うのならまだいいわ。バックアップとして待機しているグレイルがサポートに回ればなんとかなるでしょうけど、過去で戦うとなればそうもいかないわ。バックアップは当然ないし、その場で何とかするにも私たちだけでは無理が出るかもしれない。」
だから前線で動ける結界魔導師が必要なのよ。アリスはそう言って締めくくる。
過去の世界ではできる限り過去の住人との接触は避けなければならない。これはタイムパラドックスを防止するのに必要なことであるためどうしても優先しなければならない。
この時に封時結界を張りながら戦闘をするには、どうしても結界を得意とする魔導師の存在が必要だった。
「確かにそうだな……。なんでランディを誘うという選択肢が俺の頭の中にはなかったんだ……?」
グレイルがぶつぶつと呟くが、その内容は誰の耳にも届かない。
そしてうつむいてぶつぶつ言っていたところで、グレイルは突然顔を上げる。
「よし!グレイル、正史管理第六課で一緒に仕事しないか?もちろんお前の意思次第だが。」
ランディに向き直り、握手するように右手を差し出す。
誠也やアリス、ひさめもその様子を真剣に見つめていた。
けれども、当人であるランディは戸惑いの表情を隠せず、左手で頭を掻きながら問う。
「あのさ、色々そっちで考えているのはいいんだけど――」
「正史管理第六課って何の話だい?」
あちゃー。と言ったのは誰だっただろうか。
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