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100年後の管理局
第十三話 結界、勧誘
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。』とはグレイルの談である。
「尤も、今となってはだいぶ差をつけられちゃったけどね。今じゃ二等空佐としがない一陸士だ。」
わずかに自嘲を含んだような言葉が発せられる。
それに強く反論したのは意外なことに持ち上げられたグレイルだった。
「それは適性の差だって何度も言ってるだろ。俺は人に指示を出す才能があったかもしれないけど、お前は俺にはない技術的な適性があったじゃないか。」
「それはそうだけどさ。」
グレイルの強い反論に対して、ランディの表情には苦笑を浮かんでいた。
すると意外なことにここまでさほど言葉を発していなかったアリスが話題に食いついてきた。
「ランディさんは技術系の分野が得意なんですか?」
「そうだね。どっちかって言うと人を動かしたり、戦ったりするより物作ったり解析したりする方が好きかな。」
「だからこいつは遺失物管理課を希望したんだ。その時点で多少は出世の道を捨ててるんだから、今更俺を羨むなっつーの……。」
グレイルの後半の言葉はぼそぼそしていて誰の耳にも届いていなかった。
アリスはランディの答えを聞いて顎に手を当て考え込む。
それを不思議に思ったひさめはアリスに問いかける。
「どないしたん?アリスちゃん。」
「……ねえ、ランディさん。」
「なに?」
「正史管理課の新しい部隊に興味はないですか?」
そのアリスの言葉に一番の驚きを見せたのは尋ねられたランディ本人ではなく、傍で聞いていたグレイルであった。
「なっ!?こいつを正史管理第六課に誘うのか!?」
「グレイル、なんでそんなに驚いているの?今回の事件で私はランディさんの能力の高さに本当に驚いたわ。あれほどの結界を張るのなんて管理局でも数人いるかいないか程度でしょう?」
「いやー、『黒の稲妻』にそこまで評価してもらえるなんて光栄だなぁ。」
ランディの顔にはわずかに赤みがさしていた。照れているらしい。
「今後結界を張れる人材はどうしても必要になってくるわ。相手もあの様子から考えてなりふり構わなくなると考えれば、管理外世界や過去の世界で戦闘になる可能性も出てくる。」
「でも、それは封時結界を張りながら戦えばいいんじゃ……。」
誠也の反論は正論である。
管理外世界とは魔法文化を持たない世界で管理局が原則干渉をしない世界のことである。
この世界では魔法文化が存在しないため、その世界で次元犯罪者と戦闘になる場合、封時結界と言う現実から切り離した空間を別個用意し、戦闘を行う必要があるのだ。
ただ、正論とはいえどもどんな時も通じるわけではない。
「そう。封時結界を張りながら戦わなければならない。だけど私たちの中に、封時結界を張りながら今回のような相手と戦って確実に勝つ自信のある人はいる?」
「なるほどな……。」
アリスの強い意志を込めた反論に納得する誠
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