愛と狂気と
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「なっ、なんだぁ」
クラディールは驚きの声を上げるが、俺は左手に刺さった剣ごとクラディールの体を吹き飛ばした。そして、少し遅れて到着したアスナがさらに空高くクラディールを吹き飛ばした
「……間に合った……間に合ったよ……神様……間に合った……」
そう言ってアスナは崩れおちるようにひざまずいてキリトに尋ねた
「生きてる……生きてるよねキリト君……」
「……ああ……生きてるよ……」
「ギリギリだな……危ない」
と俺はキリトの口にハイポーションを突っ込む
「……リン君……ここは……私にやらせて……」
「すまんができない。親友が殺されかけたんだ。我慢できるわけないだろ」
「……わかった……。キリト君、待っててね。すぐ終わらせるから」
アスナはすっくと立ち上がると、腰から細剣を抜きクラディールの方へ歩き出す。俺もアスナの横に並び歩きだす。もちろん刺された左手ではなく右手に剣をしっかり握って
「あ、アスナ様……ど、どうしてここに……。い、いや、これは、訓練、そう、訓練でちょっと事故が……」
言い切れなかった。いや、最後まで言わせなかった。もはや言い訳もできない状況にまだ、言い訳を言う見苦しさに我慢できなかった。剣閃は二本。俺と全く同じタイミングでアスナも剣を振ったのだ
「ぶぁっ!!」
クラディールが当たった場所、口を片手で押さえて仰け反る。奇跡的に当たった場所も一緒だ
「このガキどもぉ……調子に乗りやがって……。ケッ、ちょうどいいや、どうせオメエラもすぐに殺ってやろうと……」
そのクラディールの台詞も中断を余儀なくされた。アスナと俺が剣を構えるや攻撃を開始したからだ。クラディールも必死に応戦するが、アインクラッド最強クラス二人による連携攻撃だ。敵に対して一人づつ攻撃するのがセオリーではあるが、アスナと俺の剣は一人がニ本の剣を扱ってるかのようにクラディールを切り裂いた
「わ、解った!!わかったよ!!俺が悪かった!!」
とHPが黄色から赤い危険域に突入するとクラディールは剣を投げ出しこう喚いた
「も、もうギルドは辞める!あんたらの前にも二度と現われねぇよ!!だから……」
「それで済むと思っているのか?二人の命を奪い俺の親友に殺すと言ったお前を俺は許すことができないんだが?」
アスナも同じことを思ったようで右腕の剣が振り上げられクラディールを殺そうとした
「ひぃぃぃっ!死に、死にたくねえーーーっ!!」
アスナの剣の切っ先が停まった。アスナの体がぶるぶると激しく震えている。おそらくアスナはこの世界でプレイヤーを殺していない。それは幸せなことだが、反面致命的な弱点でもある。まずいと思ったときは遅かった。怒りのあまり停止していた思考を取り戻した時にはすでに全てが終わってい
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