第十二話 圧倒、圧倒
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たなびかせた黒のバリアジャケットを纏う少女であった。
それを見て思わずうめく。
「ハラオウン執務官まで出てきたのかっ……!」
片手に握っているのは閃光の戦斧、バルディッシュ。
もう片方の腕に抱えているのは、先ほどまで自分が持っていたはずのロストロギアの入った箱だった。
取り返さなければならない。自分たちの希望を。
けれど取り返せるのか。そんな絶望が脳裏を支配する。
「大人しくこちらに従ってくれれば、これ以上の武力行使はしません。おとなしく従ってください。」
先ほどの誠也と同じくこれは警告。
従わないのならこれ以上の武力行使を覚悟しろ。そう言う警告だ。
「畜生――!!」
最後の抵抗としてアリスに飛びかかっていく。
例え勝てなくても、希望を取り返す努力くらいはと。
「……バルディッシュ。ハーケン。」
『Yes, sir』
バルディッシュは変形し、光刃を持つ大鎌になる。
アリスは冷静に飛びかかってくる相手を見る。
その動作、行動を細かく見切っていく。
「だあああ!!!」
「はあああ!!!」
一瞬の交錯。
光刃を受けた相手は気絶したのか、自由落下で墜ちていった。
ぎし、ぎし。
何かがきしむ音が耳に届く。
その何かとの衝突によって発生した煙が晴れると、拳の先にあったのは、
「バインディングシールド――!!」
それは自らの腕を鎖で縛り、しかもさらにその鎖は長さを増し右肩、左肩、胴と拘束の範囲を伸ばしていく。
そして数瞬の後、拳を突き出した体勢のまま完全に拘束され、身動きが取れなくなっていた。
「これでチェックメイトだ。」
目の前に突き出されるレイジングハート。
チャージは完全に終了していた。
「ストライク・スターズ」
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