第十二話 圧倒、圧倒
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無理が訪れる。
「ぐぁ!」
徐々にアクセルシューターがかすり始めてきたのだ。
一発かすれば二発目三発目とかわし四発目がかする。といった具合である。
どんどんとかわすことのできる弾丸が減り、当たる回数が増え始めていた。
(エネルギー切れかよ!)
体全体に気怠さが出始め、これにより動きが鈍くなり始めているのだと推察できた。
ならば仕方がないと、ポケットから小さなキューブを取り出す。
それは一センチ四方の立方体程度の大きさしかなかった。
(一度外に出て戦況を変えなければ!)
高町誠也は飛行魔法ができない。それはわざわざ軽業師のような真似をして追いかけていることからも推察できるだろう。だからこそ足場のある屋内ではなく、足場のない屋外に戦闘場所を移さなければ恐らく勝ち目はない。
そう決意し、キューブを口に入れ嚥下。気怠さが吹き飛んだ体で外壁を全力で殴り壊し屋外に脱出する。
「待て!!」
先ほどよりも大量の魔力弾が襲いかかってくる。
それはもはや数えるのも億劫になるほどだったが、
「だぁ!!!!」
自身のスキルを全開にし、魔力弾を全て消滅させる。
浮遊機能を起動させ空に浮きながら、中から出てきた誠也と対峙する。
「なるほど。お前が口に入れたあのキューブ、携帯食料だな。と言うことはお前はジーンドライバーか。しかもあの消滅の仕方から見て、先ほどから使っているそのスキル………。」
誠也から発せられたその言葉にどきりとする。
仮にその先にたどり着かれると後々厄介なことになる。
たどり着かないでくれ!と心から願う。
しかし、そんな期待とは裏腹にわずかに考え込んだ誠也はある結論へと至る。
「ディバイド系の能力持ちのジーンドライバーだな。」
「ぐっ………。」
(気付かれた――!)
ものの見事に自らのスキルの正体を看破されてしまう。
確かに自分の行動はやや安易とは言えた。
生体エネルギーを使用するジーンドライバーにとって、命を削らないためにエネルギーを補給する携帯食料は必需品中の必需品。これがなければ戦闘なんてできないと言いきれるほどだ。携帯食料の発展はジーンドライブシステムに端を発していると言っていいほど携帯食料とジーンドライブシステムは切っても切れない関係にある。
だからこそ、キューブを口にした時点で自らがジーンドライバーだと明かしているようなものだった。
それに、あの無数の魔力弾に対抗するためとはいえ、安易にスキルを使い過ぎてもいた。
そうだ、確かに、確かに安易とは言えるけれども。
けれど、自らの能力の系統すらもこうもあっさり看破されるとは予想外であった。
図星を指され、返す言葉もなく黙り込んでいると、誠也から声がかけられる。
「ここにおける沈黙は是とみなすぞ。」
「くそっ!!」
もしかしたら言った時点では完
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