第一部「数奇なる騎士」
第05話「器用不器用」
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く王女を返しなさい!」
ミナミも続く。
「正面は押さえました。これなら…」
「バカなやつ等だ…大人しく逃がせばいいものを…!」
「えっ…」
カチャ、とハンスが銃口を向けた。
シャインの、頭に。
「ひっ、やぁ…」
「動くな小娘、それに貴様らもだ。動けば王女の命はない。」
ハンスが言い放つ。
「くっ!てめぇ…」
「なんて卑怯な…」
タカヤとナナが動揺する。
「よし、ナナセ・クルトバード、そのまま動くな。貴様らの機体のレーダーがコイツをロストするまで動くことは許さん。いいな?」
「くそったれがぁ…!」
「王女はすぐそこなのに…!」
「こんなこと…」
アマテラス小隊の誰もが狼狽する。
しかし、
「くだらんハッタリだな。もっと頭を使え。」
機械のような無感情の声。
ライトが言い放った。
「ならば貴様は、なぜもっと早く王女を殺さなかった?」
「!」
ハンスは、はっとした
「貴様がただDC残党に帰還したいだけなら、俺達が攻撃を始めた時点で今の警告をするか、王女とそこにいる執事を殺してもいいはずだ。それを貴様は今の今まで王女を殺さず生かしておいた、それは貴様らにとって王女は利用価値の高い人物ということになる。」
「ライトフォード・シラヌイ…貴様…!」
全てを、たった一人の少年兵に読まれたハンスは、酷く動揺した。
「今の貴様の態度でハッキリしたな。そうなってくると、益々渡すわけにはいかんな。」
ライトはなおも続ける。
「…ならばどうするというのだ?貴様に何ができるというのだ?コックピットを潰せば、王女の命はないぞ?あぁ?」
ハンスは顔を引きつらせたまま、それでも平静を保とうと口を開く。
「こうするのさ。」
「なっ!?」
「「「!!」」」
「ひぃっ!」
その場の誰もが驚愕した。
ライトは、ハンスの話など聞いていないかのように、Gバスターレールガンをタウゼントフェスラーに向けた。
「ライト!何してるの!?」
ナナが叫んだ。
「てめぇ!やめろ!王女を殺す気か!?」
タカヤも声を荒げた。
「誰がコックピットや動力部を撃つと言った。両翼を撃ち抜けば海に着水して動けなくなる。その後は内部に潜入して王女を救出すればいい、違うか?」
ライトは平然と言った。
「あんたにそれができるの!?シミュレーションじゃないのよ!?」
ミナミも怒声を飛ばした。
「俺はできることしか言わん。両翼の範囲に射角を広げるのも容易い。」
ライトは言った。
「お待ちくだされ!」
執事、ジョイス・ルダールが声を上げた。
「あなたの仰る行動が最善であることは承知しております!ですが、万に一つ姫様に何かあれば、もしお体に傷がつくようなことがあれば私は!ですからどうか、どうか!」
ジョイスは必死で懇願した。
「……」
ライ
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