第二十三話 闇を制する者
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ナー達にとっては驚天動地の出来事だっただろう。
「彼らにはこれから国家安全保障庁、憲兵隊、地球教、フェザーンとの戦いが待っています。気を入れてやって貰わなければ足を掬われる。オーディンで負ける事は取り返しのつかない事態を引き起こしかねない、そうでしょう、ヴィルヘルム・カーン」
「……」
親っさんが笑みを浮かべて俺を見た。相変わらず怖いお人だ、このジジイが気圧されるぜ。リスナー達も肝を冷やしただろう、フェザーンの陰謀を暴いて意気の上がっている所に浮かれるなと一発噛まされたんだからな。しかも口じゃなくて行動で示した……。冗談抜きでへまをやったらブラックホールに叩っ込まれる、そう思ってるにちがいない……。
「フェザーンに行かれるんですか」
「ええ、ルビンスキーに礼をしないと。随分とふざけた真似をしてくれましたからね」
ルビンスキーも馬鹿な野郎だよ。親っさんに喧嘩売るとは、一体何を考えてるんだか……。
「……しかし金髪が許しますかねえ、それを」
「最悪の場合はローエングラム公の顔を立てると言って手を引きますよ」
「なあるほど……」
「最悪の場合ですよ」
親っさんが悪戯っぽく言う。まあそれも良いか、偶には金髪の顔も立ててやらないと……。
トントンとドアを叩く音が聞こえた。親っさんが“どうぞ”と言うとキアが中に入ってきた。
「親っさん、そろそろ時間ですが」
「分かりました、今行きます」
親っさんが手荷物を持って歩き出した。親っさん、キア、そして俺の順で部屋の外に出た。
「それじゃあ、後を頼みます」
「お気を付けて」
「有難う」
親っさんの後姿を見ながら思った。フェザーン、地球、金髪、そして親っさん……、さてどうなるか……、見応えの有る劇が始まるな、この辺境でじっくりと見させてもらうとするか……。
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