第八話「フリード・ゼルセンだと思ったら、セルゼンだった」
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を向き、立て続けに連射。避けたらイッセー死んじゃうよね。なら――、
――キンキンキンッ。
刹那の煌めき。一息で五度、弾丸を切り払う。
……また、つまらぬ物を斬ってしまった。なんつってなんつって!
「ハア? なんで光剣で斬れんの!? それ悪魔特化型の剣なんですけど! 物理的殺傷力皆無なんですけど!」
「んー、僕だから?」
「意味わかんねえし! さっさと死ねよクソ悪魔ぁああああ!」
ヒステリック気味に叫ぶフリードくん。若い頃から血管プチプチしてたら禿げるよ?
再度、縮地で接近した僕は銃のスライドを斬り払い、そのおでこにデコピンをかました。
バチンッ!
デコピンとは思えない音を響かせてフリードくんが吹き飛んだ。
脳震盪を起こしたのか気を失っていた。
玩具も手に入って機嫌も良いし、追撃しないで見逃してあげるかな。んー、僕ってば優しいね。
空間跳躍で適当な場所に跳ばそうと手を伸ばしたその時だった。
「やめてください!」
シスターの格好をした金髪の女の子が間に割り込んだ。手を広げて震えながらも僕の前に立ち塞がる。
「だれ?」
「アーシア!?」
おや、知り合いですか。空気と化していたイッセーはアーシアちゃんの突然の登場に困惑した様子だ。
「し、神父様に酷いことしないでください……!」
あれ? なんか僕、悪者扱いになってるよ?
「んー、でも先に襲ってきたのはそっちだしねぇ。それにイッセーなんかは問答無用で殺されそうになったんだよ?」
「そんな、何かの間違いです!」
「あれを見てもそう言えるかな?」
僕は壁に貼り付けてある依頼主を指差す。アーシアちゃんはソレを見て悲鳴を上げた。
イッセーが近寄り、アーシアちゃんの背中を擦る。しばらくして落ち着いた様子を見せるとイッセーが質問した。
「アーシアはなんでここに?」
「それは――」
「アーシアたんは俺の助手なんでございますのですよ」
額を押さえながらフリードくんが起き上がった。
「あー、いてぇなあ。んーで、アーシアたんはそこの悪魔さんとは知り合いなんですかねぇ。なになに? もしかしてシスターと悪魔の禁断の恋とか? うっは、マジで?」
「――っ! イッセーさんが、悪魔……?」
「そうなんでございますよ。そこのゴミは正真正銘のクソ悪魔なんでござ〜い。だから僕チン、そこの汚物共々処理せにゃならんのですよ」
そこのクズのように、と依頼者を指差す。処理されそうになってたのはキミだけどね
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