第八話「フリード・ゼルセンだと思ったら、セルゼンだった」
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これはこれは、あーくま様じゃありませんか〜!」
後方から若い男の声が聞こえてきた。振り返ると、そこには神父の格好をした白髪の少年の姿があった。
弾むような足取りで近づいてくる神父に合わせて、首から下げたロザリオが鈍い光を放ちながら踊る。
「俺は神父〜、少年神父〜♪ ビッチでファックな悪魔をぬっ殺し〜、鮮血の雨に打たれながら、勝利の余韻に浸るニヒルな神父〜♪ 今日もお前らの首をちょん切るぜ〜♪」
部屋に入ってきた少年はビシッとよく分からないポーズを決め、高らかに名乗りを上げた。
「俺の名はフリード・セルゼン! とある組織に所属している末端で、職業は神父さ! さあさあ、殺しましょ殺されましょ殺し合いましょう!」
うーん、随分と個性的な神父さんだねえ。頭がアッパッパーなのかな? 統合失調症か……怖いなぁ。僕も若年性アルツハイマーには気を付けましょう。
「これは、お前がやったのか?」
「イエス、イエース! だってこいつ常習犯だし殺すしかないっしょ! 泣き叫ぶだけで全然楽しめなかったのは残念無念だけどねえということで、死ねよ悪魔ぁあああああ!」
フリードくんは懐から柄の無い剣と銃を取り出すと、イッセーに向かって発砲した。それに合わせて僕はイッセーを突き飛ばし、反動で僕も回避する。
「あれあれあれぇ? キミ人間だよね、なんでその悪魔の味方をするのかなぁ」
「なんでもなにも、友達だもん」
友達は財産なのですよ! って、どっかのテレビでやってたよ。
「あー、なるなる。OKOK、僕チン理解。異端者殲滅これ鉄則♪ ということで斬ってもいいですね撃ってもいいですね? というか撃っちゃいますよ、撃っちゃった♪」
素早くマガジンを入れ替えたフリードくんは重い銃声を響かせながら僕を牽制し、イッセーに駆け寄って柄の無い先から光る剣を作り出した。
おお、ビームサーベルってやつですか!? いいなー、欲しいなー、貰っちゃおうかなー。
縮地でイッセーの前に躍り出た僕は半身になって剣を躱し、フリードくんの腕を下方に引きながら捻り、勢いに任せて投げ飛ばした。柄を握る手の小指を強く押して剣を奪うのも忘れない。
「ハァアアアアン!? お前、なに一丁前に抵抗しちゃってんの? しかも僕チンを投げ飛ばしてさあ! チョームカツクんですけど!」
フリードくんがなにやら騒いでいるけれど、僕はそれどころではなかった。
新しく手に入った玩具に目が釘付けになる。光の剣を出しては消し、ブンブン振って調子を確める。
「無視ですかそうですか!? ならテメェから死ねよ! アーメン!」
銃口がこちら
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