第七話「バイザーって名前だけは格好いいよね」
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もはや声も出ないバイザー。そりゃそうだよね、少量とはいえ、悪魔の天敵である光を食らったんだもん。
「うふふふ、どこまで私の攻撃に耐えられるかしら、はぐれ悪魔さん? まだ死んでは駄目ですよ。あなたを殺すのは私の主なのですから」
うわー、こわー。笑顔で苛めるとか、これが俗に言うサドか?
「部長、朱乃さんが怖いッス……」
見ればイッセーも引いていた。
「怯える必要はないわ。一旦戦闘になると興奮が収まるまでああだけど、普段はあなたも知っての通り優しい人よ。イッセーのことも可愛い後輩が出来たって喜んでいたわ」
うーむ、人は見かけによらないって、まさにこのことだね。
「『女王』は『騎士』、『僧侶』、『戦車』、『兵士』、すべての駒の力を兼ね揃えた特性を持っているわ。さらに朱乃は堕天使バラキエルの娘としての血を半分引き継いでいるから、光の属性も併せ持つ。私の次に強い最強の副部長よ」
「堕天使の!?」
やっぱりね。光を操れるのは天使か堕天使しかいないから、どっちかが親だと思ったよ。
「えっ、でも堕天使って……あれ?」
「混乱するのも無理はないわね。確かに多くの堕天使は悪魔の敵だわ。だけど、すべてがそうじゃないの」
「私の父、バラキエルや堕天使の総督であるアザゼルは少なくとも敵ではありませんわ。彼らは争いを良しとしませんの」
朱乃ちゃんが戻ってくる。リアスちゃんが意外そうな顔で副部長を見た。
「あら、もういいの?」
「ええ。これ以上は消滅してしまいそうですので、部長にお任せしますわ」
「そう、わかったわ」
バイザーはもう見るも無残な黒焦げのボロ雑巾と化していた。弱弱しい声でリアスちゃんに言う。
「殺せ……」
リアスちゃんは何も言わず、手から魔力弾を放出した。それはバイザーを欠片も残すことなく塵へと変える。
後に残ったのはバイザーの血痕だけだった。
† † †
バイザーを倒した翌日、俺らは部室で思い思いに過ごしていた。木場は日直らしく遅れるようで、小猫ちゃんはデザート特集が組んである雑誌を買いに近くのコンビニに向かっている。そのため現在部室には俺と部長、朱乃さんにレイの四人だけだ。いつの間にかレイも当然の如くここに居座っているけど、皆なにも言わない。
というか言えないって! こいつ見た目だけは美少女にしか見えないんだぞ!? しかも小柄だから必然と上目遣いで見上げて来るし、これでダメって言えるかぁぁぁぁ! ああ、NOと言える日本人になりたい……
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