第七話「バイザーって名前だけは格好いいよね」
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ふむふむ。はぐれ悪魔を殲滅せよ、と。いいねー、簡潔かつ明瞭で分かりやすいねー。
「はぐれ悪魔ってなんですか?」
「はぐれ悪魔というのは主を持たない下僕のことだよ。主を裏切ったり、主を殺された眷属ははぐれ悪魔と呼ばれ見つけ次第、殲滅することになっているんだ。悪魔の力は脅威だからね。制約という名の枷を外された悪魔ほど怖いものはないよ」
イッセーの質問に木場くんが答える。
そういうことで、はぐれ悪魔をぬっ殺すためにオカルト研究部の皆さんと町はずれの廃屋近くに来ていた。
チュッパチャップスを食べながら平然とした顔で居座る僕にリアスちゃんが「なんでレイがいるのかしら?」と聞いてきたが、細かいことは気にしないでいこう。すべては小事。リアスちゃんの悩みなんか世界の苦難に比べれば小さい小さい。ということで、僕のことはお気になさらず。
「あなたね……認められるわけないでしょ!」
おいおい、怒ると血圧上がるよ? 高血圧は心臓に悪いぜい。まあ、手助けくらいはしてあげるから。必要に応じてだけどね。
「はぁ、仕方ないわね」
「まあまあ、心強いじゃないですか」
おっ、いい子だねぇ、朱乃ちゃんは。チュッパチャップスいるかい?
「あらあら、ありがとうございます」
差し出すコーラ味を微笑みながら受け取る朱乃ちゃんに吾輩感激! レイの好感度が一上昇した。
「レイさ、緊張感持てよな。相手は人食いだぞ」
呆れた顔と声のイッセー。だけど緊張感を持つほどの相手に思えないしー。
「……血の臭い」
小猫ちゃんが制服の袖で鼻を押さえた。確かにむせ返るほどの臭いがするね。夜だし、周囲は暗闇に包まれているから闇に乗じて奇襲でも来るかな?
「イッセー、以前、話した下僕の特性は覚えているわね」
「は、はい。『女王』『騎士』『僧侶』『戦車』『兵士』の特性ですよね」
「ええ。いい機会だから悪魔の戦いをその目に焼き付けなさい。この戦いを通じて各駒の特性を掴むのよ」
実戦形式のスパルタ教育ですか。イッセーがんばれー。
「ヒッヒッヒッヒ! 不味そうな臭いがするな? でも美味そうな臭いもするな」
どこからともなく、男とも女とも分からない低い声が響いた。
おー、これがはぐれ悪魔のバイザーですか。上半身が女の人で下半身が怪物ってどこのキメラですか? なんか某RPGの雑魚キャラで出てきそうだね。ていうか、馬鹿正直に正面からくるなんて、こいつ馬鹿なの? 死ぬの? 死ぬんだろうなー。
「私の名前はリアス・グレモリー。はぐれ悪魔、バイザー。あなたを殲滅しに来たわ」
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