暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
コロシアイ
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
う、と軽く嘆息したレンのことをどう思ったのか、ジョニーがさらに口汚く罵り始める。いい加減うざくなってきたので、そろそろ黙らせようかと思い、手を動かそうとする。
だが、レンのの現実の脳から発せられた運動信号がレンホウと言うアバターの手を閃かせる前に、スッとPoHの手が上がり、ジョニーの口を黙らせる。
「そんなことより、殺りあう前に一つ質問していいかboy?」
殺りあう、という言葉に自然と口の端っこが歪むのを感じる。幸い、そのことにPoHは気付いた様子もなく言葉を、台詞を続ける。
「何で一人で来たんだ?」
ぎろり、とポンチョのフードの奥から、視線が投げかけられる。その視線は、明確に言っていた。
なめてんのか?と。
だが、レンはその空気が心地良いと感じられるほどの笑みを浮かべる。
『「他にモ来て欲シかッた?」』
「…………………チッ」
PoHはレンのその答えが不服だったようで、舌打ちとともに吐き捨てるようにただ一言。
「……まぁいい。それじゃ、こっちもいい加減お預けは我慢できなくなってきたからな――」
PoHはそこで言葉を切り、それまで垂れ流していた殺気が一気に噴き出す。
そして短い一言。
「殺るぞ」
その瞬間、コロシアイの幕が上がった。
ジョニーとザザが一気に突っ込んできた。
双方の目には、どちらとも欠片の揺るぎもない殺戮への衝動と興奮が宿っている。
「ヒャッハッハァー!殺してやるぜェッ!!」
「絶対に、殺す、殺してやる…………!」
それぞれの言葉にも同様の感情が含まれている。
『「クだラない」』そうレンは思った。
PvPの場に於いて、感情は不要だ。感情は動揺を生み出し、動揺は敗北を生み出す。
正式なデュエルであれば命は消失しないが、今のようなコロシアイであれば話は別だ。
敗北イコール、死。
その究極の方程式。これ以上でも、これ以下でもない。
だからコロシアイが始まった瞬間、レンは感情を消した。世界が見る間に白黒の、モノクロの世界になっていく。冷静になったとか、無心になったとか、そんなものではない。《無》感情になったのだ。
無。
完全な無。
だから、不意打ち気味に突進してきたジョニーとザザにレンガ何の反応も現さなかったのは、冷静だったとかという理由ではない。
なぜなら、向かってきた二人に対する感情を現す感情も消したのだから。そう思う感情も消したのだから。
だから、レンは身体に刻み込まれた数多の戦闘の経験に身を任せた。
その結果──
ジョニーが横薙ぎに薙いだ短剣と、ザザが鋭く突き出した刺剣は誰もいない空間を切る。それぞれ、互いに互いの
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ