第5章 契約
第54話 炎の契約者?
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取りや、このハルケギニア世界での精霊の扱い方から考えると、仮説ぐらいならば立てる事は可能だとは思いますね。
このハルケギニア世界では、精霊と直接契約を交わして魔法を発動させるのは、エルフなどが使用する先住魔法と呼ばれる魔法。但し、俺がタバサから聞いた方法は、直接、精霊と契約を交わした上で魔法を発動させる魔法と言うよりは、場に存在する、意志を持たない、純然たる魔力としての精霊と契約を交わして……と言うか、従わせて、魔法を発動させるタイプの魔法なので、俺のように直接言葉を交わして、意志の有る精霊との契約を交わすタイプの術者と言うのは非常に珍しいと思います。
まして、崇拝される者のような高位の精霊を実力で従わせる事の出来る存在は、そう多くは居ないでしょう。
そんな中で、俺は、自らの実力で彼女をねじ伏せて見せましたから。このような人間は希少価値が有ると思います。
そして、精霊とは本来、仕事を与えられる事を喜びます。それは、精霊王とて同じ。
あの人間の立ち入る事の少ない火竜山脈に、火竜たちと共に生活していたのですから、彼女の名を呼ぶ声に即座に反応したとしても不思議な事では有りません。
彼女、崇拝される者も、寂しかったはずですからね。
「……と言う訳やから、炎の契約者と言う立場は非常に魅力的なお誘いやけど、今回は流石に初回と言う事で御辞退させて貰おうかな」
少し軽口めいた雰囲気で、そう続けた俺。いや、彼女との友達付き合いだけなら何の問題も有りません。ただ、その炎の契約者と言う属性が、俺には必要ないと言う事です。
それでなくとも、訳の判らない聖痕を刻まれたり、虹彩異色症を引き起こすような妙な事態に巻き込まれたりして居るのに、この上、炎の契約者など言う、如何にもヤバげな称号は辞退して置いた方が良いでしょう。
語感的に表現するのなら、『む』に濁点を付けたような視線で、俺を睨み付ける崇拝される者。この仕草や雰囲気から考えると、どう考えても、今まで俺の前に顕われた時の彼女は、背伸びをしていたとしか思えない雰囲気。
本来、女神ブリギッドと言う神性は、長女を示す神性のはずなのですが、この仕草や雰囲気からは、妹と言う雰囲気しか感じませんね。
「それとも、この場で俺と契約のくちづけを交わしてくれるのか?」
そう、改めて問い掛ける俺。但し、否と言う答えが返って来る事が前提の問い掛けですが。
まして、それ以前に俺の方にも問題が有りますから。彼女が、俺の近付いて良い範囲内に入っても、抵抗感を覚えない相手だと決まった訳では有りません。こればかりは、相手がどんな美少女で有ったとしても関係は有りません。
タバサや湖の乙女が大丈夫だからと言って、彼女が大丈夫だとは限りませんから。
「うるさいうるさいうるさいう
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