第5章 契約
第54話 炎の契約者?
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「わたしは貴方。武神忍を、炎の契約者として認めます」
普段通りの落ち着いた、少女としては低い声質でそう告げて来る崇拝される者。
見た目は少女そのもの。しかし、彼女の発して居る雰囲気は高位の炎の精霊にして、大地母神。
しかし……。そう話し掛けて来る崇拝される者ブリギッドを、少し眉を顰めた表情で見つめる俺。
そう。その彼女の語っている『炎の契約者』と言うのは一体……。
「いや、俺は別に……」
奥歯に物の挟まったかのような雰囲気で、少し答えに詰まる俺。
そもそも、伝承上で語られる水の邪神共工相手では、俺の式神のサラマンダーでも格の違いが有り過ぎて問題が有ると思ったから、一度だけ崇拝される者の手助けを乞う為に彼女を召喚したので有って、それが炎の契約者などと言う、何と言うか妙に仰行な称号を得る事態に発展する事までは想定して居ませんでした。
まして、炎の契約者って、如何にも危険な雰囲気が漂う契約のように感じるのですが。
戸惑う俺と、そして、微妙な雰囲気の一同。
「ほら、さっさと、契約を結びなさい」
煮え切らない俺に、業を煮やした崇拝される者がかなり苛立ったようにそう言う。尚、そう言う仕草や態度からは、今までの落ち着いた高位の精霊らしい雰囲気から、見た目通りの少女のような雰囲気に変わったように感じて、その部分に関して言うのなら非常に好ましいとは思いますが……。
但し、それでも、おそらく彼女は俺の契約の方法を知らないから、こんな大勢のギャラリーの前で、それも美少女の容姿を持つ存在から契約を迫るようなマネが出来るのでしょう。
まして、タバサの前では、例え式神契約を結ぶ誓いのくちづけで有ったとしても、他の少女姿の存在とは交わす事が出来る訳はないのですが。
俺は、基本的にヘタレですから。
「あのなぁ、ブリギッド。俺の見鬼の才が告げているアンタは、どう考えても、受肉しているようにしか見えないんやけど、違うんかいな?」
態度はデカいが、身長はここに存在する少女たちの中で一番低い崇拝される者に、そう問い掛ける俺。尚、この場に現れた少女の中で、一番身長が高いのがモンモランシー。俺よりも十センチ程は低いでしょうから百六十センチ台半ば程度。次が湖の乙女。二人の差が矢張り十センチ程度ですから、百五十センチ台半ばだと思われる。そこから更に十センチ程度低く成ってタバサ。そして、タバサと殆んど変わらないけど、僅かに低く崇拝される者と言う順番と成って居ると思います。
この二人……タバサとブリギッドに関しては、百四十センチ台前半と言う感じですか。
「わたしが受肉していたら、何の問題が有るのよ」
少しむくれたような表情、及び雰囲気でそう問い返して来る崇拝される者。
尚、元々、見た目が子供
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