第四十四話 キャンベル星人、立つ
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ラを倒すぜ」
「そう簡単にいくと思ってるの?」
「簡単じゃなくてもやってやるんだよ」
ちずるに対しても言う。
「そうしてキャンベル星に平和を取り戻すんだよ」
「そこまで仰るのですか」
デウスも今の言葉には息を呑んだ。
「我々の為に」
「こうなりゃ乗りかかった船だ」
そのデウスに不敵に笑ってもいた。
「やってやるぜ。そして倒してやるぜ!」
「わかりました」
デウスはその意気を受けて頷いた。
「それでは今から」
「行くぜ!」
こうしてだった。いよいよキャンベル星に乗り込むのだった。
その頃ジャネラはだ。既に迎撃態勢を整えていた。
「来るのじゃな」
「はい」
「遂にです」
「わかった」
部下達に対して悠然と答える。
「それではだ。わらわも出る」
「陛下もですか」
「出陣されるのですか」
「恨み重なるロンド=ベル」
既に彼女にとってはそうであった。
「ここで倒してくれよう」
「だからですか」
「この戦いには御自身が」
「そしてじゃ」
さらに言うジャネラであった。
「叛徒共も来ておるな」
「その数二百万です」
「かなりの数ですが」
「その者達もじゃ」
酷薄な笑みと共に出した言葉だ。
「全てこの手でじゃ」
「成敗されると」
「だからこそですか」
「左様、だからこそ出よう」
ジャネラはまた言ってみせた。
「わかったな。これで」
「はい、それでは」
「我等も」
「残っている兵を全て出すのじゃ」
命令は簡潔であった。
「そしてじゃ。勝つのじゃ」
「そして宇宙を」
「ジャネラ様のものに」
「宇宙は誰のものか」
ジャネラはこのことについても言った。
「答えよ。誰のものか」
「決まっていることです」
「それにつきましては」
こう答えが返ってきた。
「ジャネラ様のものです」
「それに他なりません」
「そうだ、わらわのものだ」
こう答えるジャネラだった。
「だからじゃ。叛徒もロンド=ベルの者共もじゃ」
「はい、それでは」
「今より」
「掃討する」
ジャネラは告げた。
「それでよいな」
「今よりです」
「我等のはじまりです」
こう話してだ。彼等は戦いに向かうのだった。キャンベル星においても最後の戦いがはじまろうとしていた。ここでもであった。
第四十四話 完
2010・8・3
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