第四十二話 因果の海で
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ん」
マリューにまた答えた。
「あれはどうしても」
「そうよね。慣れるには時間がかかるわよね」
「というよりあの座り方は」
ナタルの言葉は曇っていた。
「どうしても慣れません」
「そうそう。あれはとてもね」
「日本人は不思議です」
「また随分と言うな」
その日本人の一矢の言葉である。
「武道じゃ普通に正座するんだがな」
「生憎だが私は日本人ではないのだ」
まさにそのままのナタルの今の言葉だった。
「抹茶は好きだが正座は駄目だ」
「あくまでお茶だけですか」
「そうだ。とにかくお茶を淹れた」
こうナナにも話す。
「皆で飲もう」
「そうですね。是非しましょう」
アズラエルもにこやかに笑って話す。
「お茶は百薬の長ですし」
「おっさん、それ酒だろ?」
「お茶じゃないじゃない」
「間違い」
すぐにオルガ、クロト、シャニが突っ込みを入れる。
「お茶ってそんなに身体にいいのかよ」
「僕も嫌いじゃないけれどさ」
「菓子も好きだ」
「お茶はいいものですよ」
アズラエルはその三人に対しても笑顔を向ける。
「侘び寂びですし」
「日本の心だな」
サンドマンも出て来た。
「ではだ。ここはだ」
「皆で飲むとしよう」
レイヴンもいた。
「戦いの前にな」
「眠気を醒ますだけではないな」
ロジャーが二人の言葉を聞いて述べた。
「心を和やかにさせる意味もあるのか」
「その通りだ」
ナタルもそうだとロジャーに話す。
「お茶はその意味でもいいものだ」
「そういうことか。それならだ」
「ロジャーさんもどうか一つ」
「言葉に甘えよう」
こうナタルに返す。
「それではな」
「私も」
今度はリンダであった。
「いいですか?」
「勿論だ。皆で飲もう」
ナタルは彼女にもこう返した。
「その為だからな」
「そうですか。それじゃあ」
「美味しいものは皆で楽しむもの」
ドロシーの言葉だ。
「だからなのね」
「味は一人だけで楽しむものじゃない」
ロジャーも言う。
「出来るだけ多くの者で楽しまなければな」
「それじゃあ皆でね」
「飲もう」
こんな話をして今はリラックスしている面々だった。しかし次の日はだ。
「来たか!」
「数二百万!」
「包囲されています!」
こう言葉が飛び交っていた。
「四方八方から来ます」
「DSドライブは今は」
「わかった」
大河はそこまで聞いて頷いてみせた。
「諸君、ここはだ!」
「はい!」
「どうしましょうか!」
「まずは耐える!」
そうするというのだった。
「いいな、耐えて戦う」
「まずはですか」
「耐えるんですね」
「DSドライブができるまで待つ」
これが彼の考えだった。
「そしてそ
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