第四十一話 潜む者達
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主張する。
「死刑にすればいいのよ!」
「しかしそれは」
「どうしたっていうのよ!」
戸惑うベスにさらに言う。
「この人自分から言ったじゃないの!」
「それはそうだけれど」
「それでも」
「私達と一番戦った人よ!」
カーシャはこうも行った。
「一番強敵だった人よ!なのにおめおめと生き恥を晒して」
「そしてだというのか」
「敵に許してくれって来る破廉恥な男なのよ!死刑にして当然でしょ!」
「何を言われようと構わん」
そのギジェの言葉だ。
「イデの力が現われるということはどういうことか」
「それをどうだっていうのよ!?」
「それを見たい」
「死んじゃえ!」
カーシャはギジェ本人に対しても言った。
「あんたなんか自分で死んじゃえ!」
「笑ってくれて構わん」
ギジェは静かに目を閉じて述べた。
「イデが現われるまでは生き延びさせてくれ」
「そうしてくれっていうのか」
「今は」
「そうだ。諸君等は私にとってそういう敵だったのだ」
「イデは善き力によって現われる」
ベスはここで言った。
「伝説にはそうある」
「・・・・・・・・・」
「しかしだ」
ベスの言葉は続く。
「私達の貴方への憎しみはどうなる」
彼はこのことも言った。
「憎しみも悲しみも晴らせぬ我々は貴方と同じに」
ギジェを見ながら話す。
「苦しく、惨めでもある」
「すまない・・・・・・」
ギジェは今はこう言うしかできなかった。
「だが今の私は償う術を知らないのだ」
「コスモ君」
マイヨがここでコスモに問うた。
「君はどう思う」
「ギジェのことですか」
「そうだ」
まさにその彼のことだという。
「どう思う」
「少なくともパイロットとしての腕は認めます」
こう答えるコスモだった。
「さっきの戦闘でも随分と助かりました」
「そうか」
「冗談じゃないわよ!」
カーシャは今のコスモの言葉にすぐに言い返してきた。
「あいつはバッフクランなのよ!」
「それを言えばだ」
そのマイヨがカーシャに言ってきた。
「私はギガノス軍にいたが」
「けれど」
「俺はティターンズだったしな」
ジェリドも出て来た。
「随分とやりあったんだがな」
「そうだな。私もだった」
「私もだな」
バーンとギャブレーも出て来た。
「敵味方は流転する」
「そういうものではないのか」
「それにカーシャ」
エマもカーシャに対して言う。
「彼に裏切る気があったらね」
「あったら?」
「その機会は幾らでもあったんじゃないかしら」
「けれどそれは」
「いや、僕もエマ中尉に同感だ」
万丈も言ってきた。
「それにあの涙」
「涙!?」
「同じ男として信頼に値するな」
「そんなセンチメ
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