第三十七話 妖しい笑み
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世界の人も」
「カトルもあっちにいたような」
「何かその話ってややこしくなってるけれど」
「それもかなりな」
キラとブレラは今度は除け者になっていた。しかしだ。
「マシンワールドなら違うのに」
「戦国時代でもな」
そんな話をしながら全員で映画館に行くのだった。今はだ。
そしてだった。ロンド=ベルがさらに進んでいるとだ。
またバルマー軍が出て来た。今度の指揮官は。
「久し振りだな!」
「あっ、髭達磨」
「久し振りね、本当に」
「髭達磨ではない!」
その男バラン=ドバンはすぐに反応を見せてきた。
「我こそはバラン=ドバンだ!」
「ああ、そうそう」
「バランさんだったわね」
「バラン家当主!」
いつもの名乗りだった。
「よく覚えておくのだ!」
「だから覚えてますよ」
「しっかりと」
「こんな濃い人なんてとても」
「忘れられないから」
「しかし忘れていたではないか」
バランはこのことを容赦なく突っ込む。
「違うか、それは」
「まあそれはそうだけれどさ」
「本当に久し振りに見たし」
「いや、本当に」
「トウマよ」
バランはむっとした顔になってトウマに問うた。
「御前はわしのことを覚えておるな」
「ああ、しっかりとな」
覚えていると返すのだった。
「っていうか忘れる方が無理だよ」
「ならばよし」
バランはそれを聞いてまずは頷いた。
「それでな」
「あんたみたいに強烈なキャラを忘れるかよ」
「しかしこの者達は忘れていたぞ」
バランはロンド=ベルの面々のことを話す。
「しっかりとな」
「まあそれはそれで」
「気にしないで下さい」
「気にするわ」
むっとして返すバランだった。
「これで気にしないでどうするか」
「ううん、覚えてないと怒るんだ」
「そういう人だったんだ」
「これは新発見」
「確かに」
「武人は名を尊ぶものだ」
その武人らしい言葉である。
「だからこそだ」
「そういうことですか」
「だからなんですか」
「左様、それでだ」
また言う彼だった。
「わかったな。我が名はバラン=ドバン」
「ええ、完全に覚えましたから」
「安心して下さい」
「その言葉二言はないな」
バランは一同にこのことを確認した。
「しかとな」
「ええ、安心して下さい」
「それは本当に」
皆それは保障した。
「しかし。それでも」
「なあ」
「何ていうか」
「本当に久し振りだし」
「確かにな。それはその通りだ」
このことはバランも認めた。
「本当に久し振りだな」
「で、何で最近出なかったんですか?」
「左遷されてたとか?」
「それとも書類でもなくしたとか?」
「ふん、わしは近衛軍の司令官ぞ」
彼の本来の職責である
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