第三十五話 混戦
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彼等はすぐに方陣を組んだ。リーはハガネの艦橋からその陣を見てだ。冷静な顔でそのまま言うのであった。
「これでいい」
「冷静だな」
「いつものことだ」
リーはブレスフィールドにも冷静に返す。
「最早な。この程度のことはだ」
「いつものことか」
「敵の数は」
「二百万です」
ホリスが答える。
「三つの勢力を合わせてそれだけです」
「その三つも互いに争っている」
リーはここでも冷静だった。
「我々はそれにも付け入ればいい」
「本当に慣れた感じね」
アカネはそんなリーの言葉を聞いて頷いた。
「何かいつも通りで」
「そうよね」
シホミもそう見ていた。
「けれど落ち着いていていいわね」
「戦場での狼狽は死に直結する」
こうも言うリーだった。
「これはもう常識のことだ」
「それなら今は」
「余計に」
「そうだ、冷静にだ」
また言うのであった。
「わかったな。後は各自に任せる」
「小隊単位で、ですね」
「それで各自」
「攻撃については任せる」
リーの言葉は続く。
「わかったな」
「はい、了解です」
「それなら」
こうしてだった。接近してくる三つの勢力を待ち構えるのだった。
そして来た敵をだ。それぞれ攻撃する。
戦闘がはじまるとだ。リーはここでもまた述べた。
「この方陣を回せ」
「回す!?」
「ここで」
「そうだ、回せ」
また言うのであった。
「回転させる。それで三つの勢力にそれぞれ新手を繰り出す」
「そうか、あれか」
テツヤがそれを聞いてすぐに頷く。
「カラコールか」
「そうだ、車懸かりだ」
リーはテツヤにこう返した。
「それでわかったな」
「わかった。確かに今はあれがいいな」
「それで全ての戦力で敵に対する」
「そうだな。それではだ」
「総攻撃だ」
こうしてであった。その方陣が動いた。
陣はまさに台風であった。そしてだ。
「始終動け!」
「時計回りだ!」
「いいわね!」
こう指示が飛びそうしてだった。
ロンド=ベルは全軍右から左に回転してそうして敵を絶え間なく攻撃する。
それにより三つの勢力を同時に相手にしていた。
「むうっ!」
「ゴガアッ!」
ガビルとグラビルもそれを見て言う。
「これこそまさに」
「ガウ?」
「回転美!」
それだというのだ。
「そういう戦術もあるのか」
「また貴様か!」
ガムリンがそのガビルに対して返す。
「何処までも出て来るか!」
「何度でも出て来る!」
そうだと返すガビルだった。
「不屈美!それを極める!」
「へっ、じゃあそうしな!」
バサラは彼のその考えは認めた。
「俺も俺の歌を聴かせてやるぜ!」
「歌?」
ガビルは歌には疑問の言葉で返した
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