第三十四話 マザーズ=ララバイ
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そう思う」
また言うテムジンだった。
「それはな」
「そういうものか」
「まああれだ。少なくともああした連中とは共存は無理だ」
また話すテムジンだった。
「それはわかっておくんだな」
「そうか」
「ああ、それでだ」
テムジンはここで話を変えてきた。
「ここはだ」
「ここはか」
「酒でも飲むか」
これを勧めるのだった。
「飲むか?今から」
「あ、ああ」
アルトもそれに頷く。
「それじゃあ今からな」
「飲んで楽しめばいいさ」
また言うのであった。
「じゃあ。戦いも終わったしな」
「そうですね、それじゃあ」
「これから」
「さて、何飲む?」
「これなんかどうかしら」
ここでテュッティがあるものを出してきた。それは。
「ウォッカ!?」
「それですか」
「ゲンナジーの推薦なのよ」
「・・・・・・うむ」
そのゲンナジーが重厚な顔で頷いていた。
「そうだ」
「ああ、ゲンちゃんロシア人だからね」
ミオがそのゲンナジーを見て納得する。
「だからウォッカなんだ」
「ウォッカは心の友だ」
ゲンナジーはこうも語る。
「これを飲めれば漢字だ」
「ええと、アルコール度は」
「九十七度」
「九十七度って」
「それって凄過ぎるんですけれど」
皆その度数にまずは唖然となる。
「本当ですか?」
「そんなお酒あるんですか?」
「ある」
ゲンナジーの返答は一言であった。
「ロシアにはある」
「随分いかれた酒だよなあ」
「そんなの飲む?」
「ロシア人って」
「飲まないと生きていられない」
ゲンナジーの今度の言葉はこれだった。
「ロシアは寒いからだ」
「ああ、そうでしたね」
「ロシアって寒かったですね」
「確かに」
皆言われてこのことに気付いた。
「だからなんですか」
「それだけ強いお酒をですか」
「飲むんですね」
「その通り」
ゲンナジーの言葉は簡潔である。
「これを飲めば漢だ」
「それ以前に火吐けるよな」
「吹いて火を点けたら」
「それで」
殆ど漫画であるがその通りだった。
「おっそろしいお酒もあるわね」
「全く」
「で、これ水割りですか?」
ミシェルがこう問うた。
「やっぱり」
「いや、カクテルだな」
アレルヤはそれではないかと考えた。
「さもなければとても」
「普通はそうだよな」
それはアポロも考えることだった。
「そうじゃないととてもな」
「飲めないよな」
「だよなあ」
「九十七度って」
しかしである。ゲンナジーはここでまた言うのであった。
「そのままだ」
「えっ、そのままって」
「ってことは」
「まさか」
「そうだ、ストレートだ」
そうするというのである。
「そのまま飲む」
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