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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
第四話 ギフトゲームですよ?
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ガルドは反射的に別の事を口にしようともがいただろうが、彼の意思に反して口は言葉を紡いでいく。
同時に修也達や周囲の者達も異変に気づく。この少女の言葉には……どうあっても絶対に逆らえないものだと。
「き、強制させる方法は様々だ。一番簡単なのは、相手のコミュニティの女子供を攫って脅迫すること。これに動じない相手は後回しにして、徐々に他のコミュニティを取り込んだ後、ゲームに乗らざるを得ない状況に圧迫していった」
「まあ、そんなところでしょうね。あなたのような小者らしい堅実な手です。けど、そんな違法で吸収した組織があなたの下で従順に動いてくれるのかしら?」
「各コミュニティから、数人ずつ子供を人質に取ってある」
その言葉に飛鳥の片眉が動いた。同時にコミュニティの存在に無関心な耀も不快そうに目を細め、修也は拳を握り締める
「……そう。ますます外道ね。それで、その子供達は何処に幽閉されてるの?」
「もう、殺した」
その場の空気が一瞬にして凍りついた。ジンも、ウェイトレスも、耀も、飛鳥でさえ一瞬耳を疑って思考を停止させた。
そんな中、ガルドひとりだけ飛鳥の命令のまま言葉を紡ぎ続けていた。
「初めてガキ共を連れてきた日、泣き声が頭にきて思わず殺した。それ以降は自重しようと思ったが、父が恋しい母が愛しいと泣くのでやっぱりイライラして殺した。それ以降、連れてきたガキは全部まとめてその日のうちに始末することにした。けど、身内のコミュニティの人間を殺せば組織に亀裂が入る。始末したガキの遺体は証拠が残らないように腹心の部下が食──」
「黙れ…!」
ガチン、とガルドの口が先程以上に勢いよく閉ざされた。
「素晴らしいわ。ここまで絵に描いたような外道とは早々出会えなくてよ。流石は人外魔境の箱庭の世界といったところかしら? ねえ、ジン君」
「い、いえ……彼のような悪党は箱庭でも早々いません」
飛鳥の冷たい言葉にジンが慌てて否定した。
「そう? それはそれで残念。ところで、今の証言で箱庭の法がこの外道を裁くことはできるのかしら?」
「厳しいです。吸収したコミュニティから人質を取ったり、身内の仲間を殺すのはもちろん違法ではありますが……裁かれるまでに彼が箱庭の外に逃げ出してしまえばそれまでです」
それはそれである種裁きと言えなくもないだろう。コミュニティのリーダーであるガルドが去れば烏合の衆でしかない『フォレス・ガロ』が瓦解するのは目に見えている。
「そう。それなら仕方ないわ」
しかし、飛鳥はそれで満足できないのか。苛立たしげに指をパチンと鳴らした。
それが合図だったのか、ガルドを縛り付けていた力が一気に消え、ガルドの体が自由になった。
「こ…
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