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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
AC―ストレイド
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れなかった場合は…また考えればいい。俺の戦力を必要としてくれる場所は幾らでもあるさ。
「あ、いましたよ」
「やっと!?どんだけ私を歩かせるつもりよ!!もうかれこれ数十分は歩いてるわよ!?もうクタクタだわ!」
と、俺の後ろの方から男女の声が聞こえたので振り返ると、向こうの方から白銀の例の女性の姿が見えた。
白銀は俺の事を見つけると駆け足で寄ってきた。その隣に居た女性は白銀がいきなり走り出した事に声を荒げたが、俺の後ろに佇むACを見た瞬間、白銀を抜く速度で此方へと駆け寄ってきた。
「これが…あんたが言ってた機体ね?」
「ああ。ACと呼ばれる俺の世界では戦力の基本として用いられていた機体だ」
俺の言葉に女性は小さく、ふーん、とだけ相槌を返すと、機体のありとあらゆる箇所を見始める。
その際色んな奇声を発していたが、技術者が本職ではない俺に手伝う事は出来ない。一人である程度のメンテナンスが出来ると言っても、それは緊急用のメンテナンスのみであり、本職に敵う訳ではない。…つまり技術を提供するにしても、この女性に全てを理解してもらわなければならない必要がある。ACに用いられている技術の全てを。当然そこにはコジマ粒子も含まれている。
間違いなくこの世界ではコジマ粒子は発見されていないだろう。何故なら、もしコジマ粒子が発見されていたのならば、少なからず戦術機と呼ばれるあの機械は限りなくACに近づく筈だからだ。例えACに近い機体が存在しなくても、コジマ粒子を用いたビーム兵器が存在している筈だ。だが、白銀が行ったシミュレーターの中でビーム兵器を思わせる存在は現れなかった。つまりこの世界でコジマ粒子、又はコジマ粒子に近い存在のものは発見されていない事になる。
コジマ粒子を使い続けた結果の世界をしっている為、俺はなんとも複雑な気分になるが、この世界で生き残るためにはコジマ粒子の存在は必要不可欠だ。俺が戦術機に乗る、と言う事も考えられるが、今更機動概念の違う機体に乗れるとも思えない。
「ねえ!この機体今すぐ動かせる?」
「ああ、問題ない。起動させるか?」
「今すぐ起動させて頂戴!早く!今すぐよ!」
「あ、あぁ」
女性の目の奥で光るものはまさしく研究者のそれだ。
「なら離れておいてくれ。風圧で吹き飛ぶぞ」
「「…?」」
俺の言葉に二人は首を傾げ、疑問の表情を表に出すが、それに答える事はせず、素早くストレイドに乗り込む。
ストレイドに乗り込み次第ジェネレーターを起動し、コジマ粒子を生成。その際生まれた余剰電力が他の部位に回り、ACが起動する。視界も網膜投影に切り替え、機体に問題がないか、細部のデータまでチェックを入れる。
オールクリア…問題はないな。
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