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西部の娘
第一幕その六
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に住んでいるのよ」
「山小屋にですか?」
「ええ。その方が何かと気楽ですし」
「そうですか。それはまた質素な」
「そういうわけでも。食べるのには困らないし」
 ミニーは微笑んで言った。
「それに寂しくはないし。このポルカがあるから」
「それはいい。私は今は天涯孤独の身の上だ」
 ジョンソンはそれを聞いて言った。
「そうだったんですか」
「ええ。父がいましたが」
 彼はふと寂しげな表情になった。
「この前亡くなりました。遺産を残してくれたので食べるのには困りませんが」
「そうなのですか」
 ミニーはふとこの男に対し同情した。
「あ、いや別に悲しんでいるわけではないので。あちこち旅をする気儘な身分ですし」
「そうですか。けれど旅をしている間は寝る時はいつも空の下でしょう?」
「まあ。それでも慣れれば結構いいものですが」
「・・・・・・・・・」
 ミニーはそれを聞いて考え込んだ。
「あの・・・・・・」
 そしてジョンソンに対して言った。
「よろしければ今日はあたしの小屋に泊まりませんか?」
「えっ、しかしそれは・・・・・・」
 ジョンソンはそれに対し申し訳ないと断ろうとする。
「あたしは構いません。貴方のことが気にいりましたし」
「しかし・・・・・・」
 ジョンソンはまだ申し訳なさそうにしている。そこにニックが戻って来た。
「ミニー、まずいぞ」
 ニックは表情を曇らせて言った。
「どうしたの?」
「この近くにもう一人盗賊の一味がいるらしい。さっき通り掛かりの奴がそう噂していた」
「それは本当!?」
 ミニーはそれを聞いて表情を曇らせた。
「ああ。どっちにしろ盗賊の奴等がこの辺りに入り込んでいるのは間違い無いだろう」
「そう」
 ミニーは表情を険しくさせた。そこで口笛が聞こえて来た。

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