第二章 A's編
第二十九話 『敗北』
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Side フェイト・テスタロッサ
「シホッ!!」
「シュバインオーグッ!!」
私は後悔した。どうして戦闘に集中しているシホの周りを警戒していなかったのかを…!
「貴様、何者だ!? 私とシュバインオーグとの戦いに横槍を入れるとは!!」
シグナムも、シホを蹴り飛ばした仮面をつけた謎の男に叫んでいた。
でも、それよりも今はシホの安否が!!
蹴られたシホはすごい勢いで一つのビルに叩きつけられ口から大量の血を吐き出し、さらに衝撃で割れたガラス片がシホの体中を傷つけて地面に落下していく。
バリアジャケットなら平気だろうけどシホは纏っていないからダメージは軽減されず全部体に伝わってくる。
装備もすべて解けて普段着になっていることから気絶したことは明白…!
しかも仮面の男はそんな完全に無防備なシホに対して、クロノがよく使う『スティンガー・ブレイド』をいくつも容赦なく放った。
それによってシホは落下していきながらそれに晒されて両手足に刺さりながら地面に墜落してしまった!
「シホーーーッ!!」
私はすぐにシホの後を追った!
背後でシグナムが剣を構えて、
「なぜ追撃した!? もう決着はついていただろう!?」
「あいつは一番厄介な奴だ…。だから手加減せずに放った。代わりに敵を排除してやったのだ。感謝はされど恨まれる筋合いはない…」
「貴様ぁーーーッ!!」
シグナムは切りかかったけど、それを仮面の男は受け止めて、
「逃げなくていいのか…? 白い魔導師が砲撃で結界を壊したぞ?」
「ぐっ…!」
シグナムは男の言葉に動きを止めて、歯をギリッと鳴らした。
私は傷だらけのシホを抱きかかえながらも、
「お前は誰だ!?」
もう泣きながら叫ぶしか出来なかった。
だが男は無言。
私の怒りは頂点に達しようとした時、
カッ!
「なっ!?」
「シホッ!?」
「あれは、ベルカの紋章陣…!」
シホの体が光り輝いて私達の地面にシグナム達と同じ三角の巨大な朱色の魔法陣が浮かび上がる。
そしてシホの宝石が浮かび上がり、
《Anfang.》
その機動音とともにシホの体が光に包まれ、その光はそのまま男に向けて突撃する。
「なにっ!? ぐぅっ!!」
男は手をかざし防御魔法を展開するがそれを紙くずのように砕き、光はそのまま男の右腕を通過して腕を光で焦がす。
男の背後で光は止まり無言で目のような部分で男を睨む。
それで男は「くっ!」という言葉を残し転移魔法で撤退する。
「…シホ?」
「シュバインオーグ、か…?」
私達は呆然とその光を見ることしかできないでいた。
だが光は、
《マスターを…頼みます。早くしないと…世界が
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