第二章 A's編
第二十九話 『敗北』
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確かに。それでは……ッ!?」
そこでシグナムは顔色を突如として変え、なのはの方を見る。
「気づいたわね! フェイト!」
「フォトン・ランサー…ファイア!」
「くっ!」
シグナムは魔法陣を展開してそれを防ぐ。
さらに私は干将・莫耶を叩きつけて先に行かせないようにする。
「これが狙いか…!」
「いかせない!―――鶴翼、欠落ヲ不ラズ!」
私は夫婦剣を投擲してザフィーラに仕掛けた戦法をまた使用する。
おそらく話には聞いただろうが、まだあれは本領発揮されていない。
「っ! ザフィーラに使用したものか!」
「そうよ、でもまだ…!」
再度、夫婦剣を投影してシグナムに迫る。
「―――心技、泰山ニ至リ」
私の持っている夫婦剣に反応して弾かれた二本が反応してシグナムに迫る。そしてそれを翻弄するかのごとく手元の夫婦剣を再度投擲して四本の剣はあらぬ方向へと飛翔しようとするが、
「―――心技、黄河ヲ渡ル」
さらに投影してそれらすべてを引き寄せる。
シグナムの目には動揺が写される。
聞いて知るのと、見て知るのとでは違いは大幅に激しい。
一度経験をしなければ対策はできまい。
それを身を持って知れ!
「―――唯名、別天ニ納メ」
その詠唱とともに私の手元にある干将・莫耶に変化が生じる。
ありったけの強化を施し、夫婦剣はその真の姿を現す。
ビキビキッと音を立てて刀身が伸び、その背には岩肌のような突起が形成された。
その変化にシグナムとフェイトはともに驚愕の目をする。
どう信じられよう。先程までスリムな剣だったものが今や鷹が翅を広げたが如く、ささくれ立っているのだから。
「つっ!!」
「―――両雄、共ニ命ヲ別ツ……!」
私は大きく巨大化した剣を振り上げる。さらに周りには四本の干将・莫耶が私の剣に引き寄せられ迫ってくる。
そこでシグナムの表情は悔しさや後悔で塗られるが、だがそれも一瞬…すぐに清清しい顔をして「さすがだ」と小声で呟く。
そんな顔をされたらもう後には引けない。私は死なない程度に振り下ろそうとし、
「―――ああ。それもいいがそいつを消されるとなにかと都合が悪い。だからお前はここで退場だ」
そんな初めて聞く男の言葉とともに私の脇腹に何者かの強烈な蹴りが入るとは、思って、いなかった…。
なぜか遠くでフェイトの泣きそうな叫びが響いてくるが、ザフィーラと同じ場所を、さらに容赦なくまるで抉るように叩き込まれた為、さらに遅れて背中にとてもではない衝撃を感じ私の意識はそこで途切れる。
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