第二章 A's編
第二十九話 『敗北』
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固なものに仕立て上げる。
シグナムは抜け出そうとするが剣が振れないほどの間合いで身動き取れないようである。
「フェイト! この場からすぐに離れなさい!」
「え!? う、うん!」
シホの叫びが聞こえるが私もなんとなくこの先でシホが何をしようとしているのか分かってしまったので急いで離脱する。
「壊れた…」
「レヴァンティン! カートリッジロード!」
《Explosion. Schlangeform.》
「幻想!!」
ドドドドドオオォォォーーーッ!!
二人の叫びはほぼ同時。
だけどシグナムを中心に牢獄は盛大に爆発を起こした。
それでビルは耐久性が限界を越えたのか黒煙を上げながら崩れていく。
私はただただ呆然としながらもその光景を見守っていたけど、ふと思った。
「ね、ねぇシホ! ちょっとやりすぎじゃないかな!? あれじゃシグナムも死んじゃっているかもしれないよ!?」
「そ、そうね…普通の人間なら…はぁ、はぁ…かろうじて生きていても生き埋めに重症は…はぁ、はぁ…負うんでしょうけど…」
シホが胸を抑えて苦しむ仕草をしだしている!?
やっぱりあれだけの戦闘に体が耐え切れなかったのかな!
シホに寄りかかろうとした途端、爆心地から盛大に突風が吹き上がり、煙が払われた先にはシグナムを中心に剣がまるで蛇のようにうねりを上げている。
シグナム自身も悠然とした様子でその場に立っている。
だけど、服装はところどころ焦げていて破けている。額や体中からも血が流れていることから先程のものがどれほどの威力だったかを物語っている。
「やっぱり、ただものじゃないわね…」
シホは私の心の言葉を代弁してくれるようにそう言った。
確かにあれだけのものを受けて気絶すらしていないなんて凄すぎる。
私なら確実に死んでいたかも…。
敵対していた時にシホが本気を出さないで本当に良かったと改めて理解した。
《みんな、聞いて!》
と、私が密かに身震いしている時に突然なのはからの思念通話が伝わってきた。
《私が結界を壊すから、その間に転送を!》
《馬鹿いわないで! 一番の重傷者が何を言っているの!?》
そこで隣でまだ胸を抑えて息を荒くしているシホがなのはに向かって叫んだ。
確かになのはは赤い少女との戦闘で怪我を負っている、レイジングハートも大破寸前だ。
でもそれを言うとシホも結構傷を負っているけど…。
《大丈夫! 私のスターライトブレイカーならきっと撃ち抜けるから!》
《だからって…!》
《私を信じて!》
なのはの叫びにシホが言葉に詰る。
普段からなのはの頑固さを知っているからこそシホは言葉を詰まらせたのだろう、私はそう感じた。
そして
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