閑話
第十五話
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飯に群がる二人は子供のようだった。実際は百単位で生きてる筈なんだがな。
「……余はどうなったのだ?よく覚えておらぬのだが?見てみれば召し物も変わっておるしな」
「君が森の中に倒れてたのを俺達が拾った。服はテントの中に掛けてある」
「そうなのか……世話になった、感謝する」
「へいへい」
「む……余が珍しくも感謝しておるのだ。それ相応の態度があろう?」
「君の事何にも知らないのだが?」
「何っ!?余は至高の芸術にしてオリンピアの華!この面貌を前にして余を知らぬと申すか!?」
「海を越えた所から来たからこの辺の状況を知らんのだ」
初対面だから一応知らないふりをする。
「……まあよい。無知は哀れだが罪ではない。一度だけ余から名乗っておこう。余はネロ・クラウディウス・カエサル・ドルスス・ゲルマニクス、五代ローマ皇帝だ」
「ネロ・クラウディウス・カエサ……長いからネロと呼ぶわ」
「特別に許そう。それで主の名は何と言う?」
「八意永巡……いや、永巡・八意か?気軽に永巡と呼んでくれ」
「了解したぞ、永巡」
「お兄ちゃ〜ん」
「お兄さ〜ん」
サクラとアイシアが帰ってきた。意外と静かだったな。
「二人共自己紹介しろ」
「は〜い!ボクはサクラ、よろしくね」
「あたしはアイシア、よろしくね」
「余はネロ・クラウディウス・カエサル・ドルスス・ゲルマニクスである」
「ネロ・クラウディウス・カエサ……うぅ?長いからお姉ちゃんって呼ぶね」
「じゃああたしはお姉さんで」
「お姉ちゃっ!?……まあよいだろう、特別に許すぞ」
お姉ちゃんと呼ばれたネロは満更でもなさそうだった。
「……ネロは何であんな場所で倒れてたんだ?」
「…………」
「……いや、すまない。聞いてはいけない事だったようだな」
「永巡が聞きたがってるのは分かる。余みたいな可憐な華が薄汚い路傍で倒れていては気になるというもの……少し長くなるが……」
ネロが語り出したのは策略、暗躍、毒殺何でもござれの物語だった。本人から聞くと更に重く感じてしまう。
「―――そして元老院から追われて今に至る。あそこで永巡達に会わなければ自害していたであろう」
「……そうか」
「自分の今までの人生に未練はあるが後悔はない。しかし、それ故にこの拾った命の使い道が思い浮かばぬ」
「……それじゃお姉ちゃんも」
「あたし達について来ない?」
予想外の出来事だ。サクラとアイシアが誘ってるだなんて……余程
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