Episode4:入学式
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良くなる。
「まあ、AとBなんだから会う機会はあるよ、多分。さて、一応、俺はホームルームを覗いて来るけど」
「あ、じゃあ私達も行きます!」
勢い良く返事をするほのかと無言で頷くだけの雫に苦笑いを浮かべて、俺は教室へ歩き出した。
☆★☆★
場所は変わって1-Bの教室。の、前の廊下。どうやら思ったより人がいるようで、教室の中からは和やかな談笑が聞こえてくる。
「さて、行くか」
呟き、扉の取っ手に手を掛けて右から左にスライド。瞬間、お喋りが一瞬で止み、全員が俺を見た。皆一様に自分の目を疑うような表情をしているけど……。
刹那、何故か嫌な予感が全身を突きぬけ、思わず浮かべようとしていた笑みが引き攣ってしまった。
「お前、まさか……九十九隼人!?」
「え!?本当に!?」
気づいたときには、俺は完全に包囲されていた。いつの間にか背後にも数人の生徒。
そこからは、質問の嵐だった。
「なあなあ、自由自在に天気を変えられるって本当か!?」
「大亜連合の魔法師と戦ってボコボコにしたって本当!?」
「お姉さんって魔法大学にいるのか!?」
「あの『人斬り鮫』と戦ったことがあるって本当!?」
「あ、はは……みんな、まずは落ち着いてよ」
そんな抵抗も、みんなが発する熱気によって掻き消されてしまった。
俺が呆然と引き攣った笑みを浮かべている間に『質問』がヒートアップして、なんか知らないけど、『じゃれ合い』になってきていた。みんなに揉みくちゃにされながらも、隙を見て教室内を覗いてみる。
「あ!」
そこで俺は、よく見知った顔を発見した。低い身長に、小学生と間違えても可笑しくは無い童顔を持つ男子生徒の姿。
「は、鋼!助けて!」
内心安心して、古くからの友達『十三束鋼』に助けを求める。が、ヤツは一度フッて笑った後に思いっきり目を逸らした。
「う、裏切り者ぉぉ!!」
俺の悲鳴も、ただただクラスのみんなの悲鳴んも似た叫び声に飲み込まれていった。
☆★☆★
「で、さっきのはどういうつもりだったのかな?」
「あ、あはは……」
場所は変わって近くのカフェテリア。先ほど、俺をものの見事に見捨てた鋼のサイフをスッカラカンにしてから、俺は詰問を開始した。
「いや、ね。僕的には、友達に有名人がいれば自慢できるからいいかなと……思ったり…思わなかった、り……して……あ、あはは」
俺が醸し出す黒いオーラのせいか、言葉の最後になるにつれて鋼の声は尻すぼみに小さくなっていった。
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