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茨の王冠を抱く偽りの王
22.祈りと紫苑
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、諦めねぇよ」

だが、俺に残されたヴォイドは、ロンギヌスの槍、戦輪、赤子のオルガン、聖杯、弩砲、そして........茨の王冠の6つ。
残るヴォイドの破壊は俺の身体が持たない。
茨の王冠を使えば倒せるかもしれないが、また暴走しかねない。今の俺には茨の王冠の戻すほどの力が残っているとは思えない。

「その熱心な思いだけは褒めてあげますよ」

白衣の少年がブーメランのヴォイドを取り出し、投げてくる。

それをロンギヌスで弾き飛ばす.......が、突然後ろに現れた白衣の少年が短剣でロンギヌスを真っ二つに折られる。結晶化し、砕け散る。

「グァァァァア!!!」

俺は再び床に倒れる。
残るヴォイド.........5つ。

「ついに始まったようですね.........四度目の黙示録が.......この世界の命の進化と淘汰が」

かすれる視界に映るのは氷の結晶のようなものが降り注いでいる。
そして、聞こえる絶望の歌。

「脆弱な肉体を捨て、結晶の中に永遠の思考を獲得する。それが次なるステージです。ヴォイドは前触れだったのです。心が物質となる新たな世界の.......まぁ、死にゆくあなたには関係のない話ですがね」

白衣の少年が再び結晶の剣を持ち俺の右腕に突き刺そうとしてくる。

「その腕を封じれば、あなたはヴォイドを使えなくなる」

右腕に向かい結晶の剣を突き刺してくる。

「まだだ!!!」

赤子のオルガンを取り出し、結晶の剣を赤子が喰らう。

「いい加減、楽になりなさい。ここまでくるとウザイですよ」

「......ウザくて.......結構.....だ」

さらに弩砲のヴォイドを取り出す。
右腕に赤子のオルガン、左腕に弩砲。

「そろそろ、終わりにしましょう。.......全てを」

白衣の少年は空中に浮かびその場にいる全ての人のヴォイドを強制的に融合させる。その影響でその場にいる人が一つのヴォイドへと姿を変えていく。
白衣の少年が出したヴォイドは.......地上に生える巨大な大砲。黒をベースに赤い光のラインが入り、先端には二つに巨大な発射口が光をはなっている。

「それでは......さようなら、茨カイ」

漆黒のレーザーがこちらに向かい一直線に飛んでくる。
俺も弩砲のレーザーと赤子のオルガンで防ぐ。

「これで終わりましたね........それでは、アダムの決着を見届けに行きましょうか」

「........ま...........まて.........よ」

「これは驚きましたね。同時に二つのヴォイドを破壊されながらも立っているなんて。そこまで、あなたを動かさせるものは何なんですか........やはり、椎名シオンですか」

「そ....
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