日常
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呼ばれ立ち止まる。
「一回ぐらい勝負してからにしようじゃないか。体鍛えてないわけじゃないだろ」
急に先生の表情がが変わった。獲物を狩る鷹のような目をしている。まあ、先生も戦闘狂だから、二年もの間強いのが来なかったのか鍛えられなかったのか相当溜まってるらしくオーラがやばい。これは、手っ取り早く片付けて帰ろう、そう思い了解といって脱衣所に入っていった。中にはないだろうなと思いながら二年前に使っていた胴着を探す。胴着はしっかりと洗濯され、元自分のロッカーに入っていた。洗濯されていたのか、においは臭くなかった。素早くそれに着替え、サポーターを身体につけて、道場に戻った。
「ようやく来たか。待っていたよ、優君」
その口調に少し不快感を思い出す。
「その口調やめてくれ先生。なんか不機嫌になりそう」
「そうか」
そう言って喋らなくなる。どうやら全員稽古をやめて端っこに座っている。どうせ見稽古とか言ってからやめさせたんだろう。優は素早く構え、試合の合図を待つ。始め!!と大きな開始の合図が響くと優は縮地法と呼ばれる方法で相手との距離を詰める。
「それは縮地法だね。すごいな、そんなのも覚えたのか」
先生はそう言って蹴りをかましてくる。それを受けて逆に蹴りを入れようとする。しかし、それを防がれると今度は、近づいて肘打ちをしてくる。それを避けるため身体を捻る。そして掴まれた足を軸に身体を回転させ、ヘッドギアをつけている頭に横からかかとで蹴る。
それを避けられると体勢を立て直していったん距離を取られる。
「さっきのはすごいね。いつの間にあんな方法を覚えたんだ?」
「ちょっと新しい家族のうちが道場だったんでそこで教えてもらいました。確か、ヨーロッパのほうでパルクールって言うスポーツがあるらしくて、そのアクロバティックな動きを取り入れた新しいスタイルの武術を思いついたとか言って俺で試したんだよ。まあ、見た奴は頑張って覚えたけど」
「そうか、それは是非とももっと知りたいね!!」
そう言って突っ込んで来る。優は自分の間合いを円に例える。そして自分から二メートル半ぐらいまで、自分の攻撃範囲を領域にして示す。これはいわゆる絶対領域に近い感じでこの円の中は優の十八番でこの中なら不確定要素がない限り絶対に外すことはない。そして先生は、その領域に入ってくる。瞬間、優は先生の向けて本気の蹴りを繰り出す。先生はそれをガードしようと腕を出すが、すぐに引っ込めて間合いから出た。
「さっきのは骨を砕くつもりかい?相当な速さとその後のハンパない衝撃の風だったけど」
「いや、先生なら避けてくれると思ってマジで蹴った」
「今の君の蹴りはもう足刀の域に達してるだろ……」
そう呟く
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