日常
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?お前がゆっくりと景色を見たいならだけど」
「おっ、カズにしては、言いこというじゃんか。じゃあ歩いていくか。懐かしい場所がどうなったか見てみたいし、それにカズのリハビリもかねてな」
そう言って優とキリトは歩いて桐ヶ谷家へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
帰り道には色々と懐かしい場所を見た。よく和人と遊んだ公園、自分のよく寄っていた古い駄菓子やなど懐かしい場所を見ていると、自然と足が進む。和人も歩きながら色々と話した。
「お、まだここはやってんのか。懐かしいな……」
そう言って足を止める。そこは優が通っていた道場だった。外からでも子供が頑張ってる声が聞こえてくる。
「そうだな。お前は福岡にいたし、そう思うのは無理もないか」
「ちょっと入ってくる。久しぶりに先生とかに挨拶して行くからカズは先に帰っといてくれ。それとスグにも遅くなると伝えといてくれよ」
「わかった。遅くならないうちに家に来いよ」
そう言って和人は手を振って家に帰った。それを見送ったあと、優は道場の中に入る。懐かしい門を通ると同年代の男が急に入ってきた優を見て声をかけてきた。
「お前、道場の入門希望者か?」
「いいや、ちょっと見に来ただけだ」
そう言うと、優は道場の中に入る。中もほとんどかわっておらず、広い稽古場は三十数人の男の子や女の子が互いに自らの腕を磨いている。しばらく見ていると、数人の女子がこっちを見て何か言っていた。聞こえないから、男の稽古を見ていると懐かしい声に話しかけられた。
「もしかして、優くんかい?」
話しかけられたほうを見ると二年前まで教えてもらっていた先生がいた。
「そうだよ。久しぶりだな、先生」
「本当に優君なのかい!?いやー、二年前とほとんど変わってないね」
「そりゃー、二年も寝たきりだったんだ。変わるもんといったら体重と筋力ぐらいだろ」
「しかし、本当によかったよ。君があれに閉じ込められた時は、どうなるかと思ったよ。でも君ならいつかひょっこり帰ってくると信じてたけどね。何てたって君は、公式の道場主催の全国大会で優勝したんだ」
「先生、だからあの時は運良く入って勝てただけだから」
「そんな謙遜するなよ。君のおかげでこの道場も少しはましになったんだ。ほんとあの時は困ったよ」
「そうだな。ここガラガラだったもんな」
優は久しぶりに会った先生と懐かしい思い出を語った。いつの間にかかなりの時間が過ぎて昼ぐらいから来ていたはずがもう夕方になっていた。
「じゃあ、俺そろそろ帰るよ。カズたちの家にそろそろ行かなきゃなんかうるさそうだから」
「ちょっと待つんだ」
「なんすか、先生?」
突然、先生に
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