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IS《インフィニット・ストラトス》〜星を見ぬ者〜
第十九話『凰鈴音』
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…」


スウェンは廊下を歩いていると、一人の生徒とすれ違う。


「君がスウェン・カル・バヤン君ね」

「……?」


立ち止まり振り向くと、その生徒は扇子を右手に持ちスウェンの方を向き


「私はIS学園生徒会長『更識 楯無』よろしくね」


楯無と名乗る生徒の胸元のリボンは黄、つまり二年生だ。スウェンは一つの言葉に注目した


「更識?……まさかだと思うが、簪の……」

「そう、あの子の姉よ」


扇子を開き、そこには“姉”と書かれている。


「それで、俺に何の用だ?」

「そんなに警戒しなくてもいいのに。ただ挨拶をしようと思ってだけ、織斑 一夏君ともう一人の男性IS搭乗者の君にね」

「……そうか」

「スウェン君はこれから時間ある? もしよければちょっと一緒に――」

「断る」

「……理由を聞いてもいいかしら?」

「お前の言葉には何か裏が有るように聞こえる。俺は聊かそれが不愉快だ、次に会う時はそれを無くしてから来てもらおう」


スウェンはそう言い残し、楯無は一切見ず歩いていった。


「……一筋縄ではいかないという事ね。面白い人……」



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