第十九話『凰鈴音』
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一夏は座る場所を探していると、長テーブルに座っていた鈴音が声を掛けてきた。丁度周りには空席が幾つかあるので
「おお、鈴。席いいか?」
「え? ま、まあ好きにすれば?」
「じゃあ座ろうぜ」
そうして一夏を含めたクラスメイト達は席に着く。スウェンは一夏から離れた端の席に座る。
「それにしても久しぶりだな。ちょうど丸一年になるのか。元気にしてたか?」
「げ、元気にしてたわよ。アンタこそ、たまには怪我病気しなさいよ」
「どういう希望だよ、そりゃ……」
「で、いつ日本に帰ってきたんだ? おばさん元気か? いつ代表候補生になったんだ?」
「質問ばっかしないでよ。アンタこそ、なにIS使ってるのよ。ニュースで見たときびっくりしたじゃな
い」
久しぶりの再会に会話が弾む二人であったが、箒とセシリアが席を立ち二人の前に行き
「一夏、そろそろどういう関係か説明してほしいのだが」
「そうですわ! もしかして一夏……この方とつ、付き合ってらっしゃるんじゃ……」
「べ、べべ、別に私は付き合ってる訳じゃ……」
「そうだぞ。なんでそんな話になるんだ。ただの幼馴染だよ」
「……」
「? 何睨んでるんだ?」
「別に!」
そっぽを向いて明らかに不機嫌そうに堪える鈴音
「織斑君の幼馴染かぁ〜。まさか二人もいたなんて」
「びっくりだよね〜」
鈴音と一夏のやり取りを見て、少し遠目の席に座っているクラスメイトが言う。スウェンはそんな二人には視線を送らず、ただ昼食をとっていた。今日の彼の昼食はカレー。IS学園の料理はどれも絶品であるが、スウェンはいかんせん部隊でカレーばかり食べていたせいか、他のメニューには目もくれずカレーばかりを頼んでいるらしい。
そうこうしているうちにスウェンは既に食べ終えていた。
「スウェン君食べるの早い!?」
「おお〜スッチー早食いだねー」
「……食事は迅速に、だ」
スウェンはトレーを持ち席を立つ。
「スウェンもう行くのか?」
「少しやる事がある」
「そっか、じゃあ後でな」
「……ああ」
止めていた足を再び動かして行くスウェン。鈴音は一夏の方を向き
「あれがもう一人の男のIS使用者?」
「ああ、スウェン・カル・バヤンっていってドイツの代表候補生なんだ」
「へぇ〜……なんかくらそーなヤツ」
「でもないぞ、実際話せば結構良いやつだし」
「そうなんだ。まあ、強そうに見えるのは確かだけどね……」
/※/
「っくし……風邪でも引いたか? 健康管理はきちんとしている筈だが…
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