第十九話『凰鈴音』
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「おはよう、織斑君!」
朝、席に着いた一夏とクラスメイトが挨拶を交わす。直ぐ後にスウェンも教室に入ってくる。
「おはよう、スウェン」
「ああ、おはよう」
スウェンはそう言うと、自分の席である一夏の後ろの席に座る。
「そう言えば二人とも聞いた? 二組のクラス代表が変更になったって聞いてる?」
「代表を変更?」
スウェンは少し興味有り気に反応する。
「うん、名前は忘れたけど、中国から来た転校生に変わったの」
「ほう……この時期に、ましてや中国からか……だが二組の話だ、騒ぐ事でも無い。それよりも織斑、お前は来月のクラス代表戦に向けて備えるべきだ」
「そうですわ! 是非勝っていただかないと!」
「が、頑張る……」
「けど、今のところ専用機持ってる代表は一組と四組だけだから余裕だよね」
「その情報、古いよ!」
一人のクラスメイトがそう言った瞬間教室の入口のほうから声が聞こえた。その声に反応してか、一夏は誰よりも先にそちらを見る。髪を左右に結い、肩を露出するように改造された制服を身に纏う生徒だ。
「二組も専用機持ちが代表になったの、そう簡単に勝つ事なんて出来ないから」
腰に手を当て、自信満々に言うその少女。小柄だがどこか堂々とした気迫のある雰囲気を醸し出している。
「!? 鈴……? お前、鈴か!」
「そうよ。中国代表候補生『凰鈴音』。今日は宣戦布告に来たってわけ!」
ビシィ!という効果音が鳴りそうな位に一夏の事を指差す鈴音。
「知り合いか?」
「ああ、あいつも幼馴染なんだけど……鈴、お前何恰好つけてるんだ? すげえ似合わないぞ」
「んなっ……!? なんてこと言うのよ、アンタは!」
先程の気迫は何処へやら、一瞬にして消え去る。するとゴツッと鈍い音が鈴音の頭から鳴る。鈴音は振り返り
「何すんのよ!?」
「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」
「ち、千冬さん……」
「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、邪魔だ」
「す、すみません……」
千冬の言葉に顔色を変え、一夏の方を向き
「またあとで来るからね! 逃げないでよ、一夏!」
そう言い残していった鈴音であった。
「ふっ……」
「何だよ、スウェン」
「いや、お前もつくづく。と思ってな」
「何だよそりゃ……」
/※/
そして昼休み。一夏はスウェンを誘い、食堂へ向かった。スウェンだけではなく、箒やセシリア、他のクラスメイトも一緒についてきた。
「さて、座る場所、座る場所っと……」
「待ってたわよ、一夏!」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ