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西部の娘
第一幕その三
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んだぞ」
 ランスは少しムキになって言った。
「遠く身一つでここまで拳銃だけを頼りに来たけれどな。今こうして俺は夢を見つけたんだ」
 彼は表情を戻した。
「あんたも西部で一人じゃ色々と心細いだろ。俺と一緒になろう、そうすれば俺はこの店を絶対守ってやる」
「気持ちは有り難いけれどね」
 ミニーは微笑んだまま言った。
「生憎あたしは今の一人身の生活が気に入ってるのよ」
 そう言って胸から拳銃を取り出した。
「あんたの相棒も頼りになるみたいだけれどあたしにもこの心強い相棒がいるからね。あたしはこれと一緒ならたとえ地獄の中だろうと怖くはないわよ」
「地獄の中もか」
 ランスはそれを聞いて言った。
「ええ、今までこれだけを頼りに生きてきたからね。これからもずっとそうだよ」
「そうか」
 ランスは言葉を止めた。
「しかしな」
 すぐに再び口を開いた。
「俺はずっと待つからな。あんたが心変わりするのを」
 そこへ郵便屋がやって来た。
「どうも」
 彼は店に入ると一礼した。

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