第三十話 ファーストアタック
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?」
誰もがその言葉に喜びの声をあげる。
「あのシェリル=ノーズがだよ」
「私達を待ってくれてるって」
「嘘みたいじゃない」
そうとなればだ。答えはもう決まっていた。
「よし、それなら」
「すぐに戻りましょう!」
「それでコンサートに戻って」
「シェリルの音楽を!」
「総員に告ぐ」
ここでまたジェフリーの命令が来た。
「どうしても残りたい者以外はだ」
「はい、それ以外は」
「どうしますか?」
「コンサート会場に戻れ!」
これが命令であった。
「いいな、すぐにだ!」
「了解!」
「じゃあすぐに!」
こうしてであった。全員すぐにシェリルのコンサートに戻った。それが今の彼等だった。
そしてその中にはだ。アルトもいた。彼はミシェルとルカにその両手を掴まれてだ。そのうえでコンサート会場まで連行されていたのである。
「俺もかよ」
「ああ、御前は絶対だよ」
「来てくれないと話になりませんから」
笑顔でアルトに言う二人だった。
「さあ、それじゃあな」
「行きましょう」
こうしてであった。本当に強制連行される彼だった。
そのコンサート会場にロンド=ベルの面々が来るとだ。皆拍手で迎えてくれた。
「よし、もう一方の主役が来てくれたな!」
「私達の為に戦ってくれて有り難う!」
拍手と共の言葉だった。
「さあ、それじゃあシェリル」
「ええ」
休憩してジュースを飲んでいたシェリルがグレイスの言葉に応える。
「いよいよね」
「決めるのね」
「勿論よ」
ステージ衣装を格好よく着ての言葉だった。
「今からね。最後の戦いよ」
「このコンサートでなのね」
「そう、次のコンサートもまた戦いだけれど」
強い笑顔での言葉だった。
「今のコンサートはこれでね」
「終わらせるのね」
「はじめるのと終わらせるのが一番エネルギーを使うのよ」
こうも言うシェリルだった。
「だから余計にね」
「そうね。それじゃあね」
「行って来るわ」
戦う顔での言葉だった。
「それじゃあね」
「ええ、それじゃあね」
今は笑顔で見送るグレイスだった。少なくとも今はそうだった。
そしてステージに戻った。シェリルはだ。皆に対して言った。
「皆、待っていてくれて有り難う」
これは自分自身への言葉ではなかった。
「どうもね。それじゃあね」
その観客席を見る。するとだった。
ランカがいた。その彼女と目と目が合った。そうしてであった。
「皆で歌って。これからはね」
「はい・・・・・・」
ランカは今の言葉が誰にかけられたものなのかすぐにわかった。そうしてであった。
彼女も口を開いた。そのうえで歌うのであった。
その歌声を聴きながらだ。アルトは呟いた。
「これが歌か」
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