第二十九話 銀河へはじめての笑顔を
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第二十九話 銀河へはじめての笑顔を
敵軍はそこにいた目の前にだ。
「数は?」
「五十万です」
マヤはすぐにミサトに報告した。
「それだけです」
「数はそれ程じゃないわね」
「そうですね」
「さっきは合わせて百万は優に超えていたけれど」
ミサトはここで考える顔になった。
「あれが主力だったのね」
「その主力を全てぶつけても尚それでも」
カワッセがここで言った。
「それでも勝利を得られるものがあるというのですね」
「そうですね。その切り札は」
「あの男ですか」
「そう考えていいと思います」
前のその敵軍を見ながらの言葉だった。
「ズール自身がです」
「そういうことですね」
「それにしても」
今言ったのはシーラだった。
「ズールという男は部下を平気で捨て駒にできるのですね」
「そうですね」
ミサトもシーラもだ。その顔を曇らせていた。
「それは間違いありませんね」
「そういう男ですか」
「やはりこのままにしてはいけないでしょう」
ミサトは彼女にしては珍しく敵の性格を問題にしていた。
「さらに大きな権力を握ればそれだけ」
「罪もない人々が」
「彼によって死んでいきます」
だからだというのである。
「ですから」
「はい、だからこそ」
「倒さなければなりません」
「それならです。ただ」
「ただ?」
「先程からよからぬ気配を感じます」
ここでこう言うのだった。
「何かしらの」
「そうですね」
ここでエレもモニターに出て来て言う。
「これは一体」
「わかりません。ただ」
「はい、幾つかありますね」
「そうですね。幾つか」
「幾つか?」
「幾つか感じます」
こう言うのだった。二人共だ。
「これは一体」
「何か。これは」
シーラも言うのだった。
「ゴッドマーズが邪なものになったような」
「はい、そんな感じです」
「えっ、ゴッドマーズが」
「邪になっただと!?」
そのゴッドマーズに乗るタケルとマーグも驚きの声をあげる。
「それは一体」
「どういったものなのだ?」
「わかりません。しかしです」
「複数感じるのは確かです」
エレとシーラはここでも二人に言うのだった。
「何故かはわかりませんが」
「ズールと同じものを」
「兄さん、これは一体」
「宇宙に出る時少しそうした話が出たが」
マーグはこのことを弟に話す。
「それはまさか」
「何だというのだろうか」
「少なくとも今ここでわかる話じゃないみたいだね」
いぶかしむ二人に万丈が言ってきた。
「まずはその前にね」
「戦うしかないか」
「そういうことか」
「そういうことさ。戦いを進めていけばズールは出て来るよ」
こう話すのであ
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