第二十六話 暗黒の皇帝
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「ああ、それじゃあ」
彼もそれに頷いた。そうしてだった。
「今は」
「そうだ。まずは戻ろう」
軍はだというのだ。
「そしてまた進もう」
「帰ろうか、艦に」
こうしてだった。戦いを終えてそのうえで再び艦艇に戻りフロンティアに入った。そこでだ。
フロンティアの中でだ。万丈が言った。
「間違いないね」
「このフロンティアにですね」
「いますか」
「ありますか」
「うん、いるにしろあるにしろね」
万丈は皆に答えていた。
「ここにはあの男が気になるものがあるね」
「ハザル=ゴッツォはだ」
ここで言ったのはヴィレッタだ。
「ああした男だ。野心家だ」
「野心家のうえにまだあるね」
「そうだ。策謀家でもある」
そうだとも万丈に話すのだった。
「そして何もなければ動くような男ではない」
「無駄な動きはしないってことだね」
「そうだ。間違いないな」
また言うのだった。
「どうやら侵入者はいなかったそうだが」
「侵入者の危険もある」
「そうなるのか」
「それも考えておくことだ」
また言うヴィレッタだった。
「今はなかったにしてもだ」
「そうですね。今は」
「フロンティアに何があるかまだわかりませんけれど」
「それでも」
こう話されるのだった。
「それでも何をしてくるかわからないから」
「今はですね」
「用心して」
「用心はしていく」
ヴィレッタの言葉は鋭い。そしてだ。
「だがだ。進撃は続けるべきだ」
「このままギシン星にまで」
「第一の敵はズールですか」
「それは変えたら駄目だな」
ケンジは真面目な顔で話す。
「絶対に」
「ハザル=ゴッツォの軍は第二攻撃目標でしかない」
それに過ぎないというのだ。
「第一はやはりギシン星、そして」
「ズールの軍」
「それだな」
アキラとナオトもそれを言う。
「あの連中を倒さないと」
「今は」
「そうね。それが第一ね」
ミカもここで頷いた。
「まずは。何といってもね」
「よし、それなら」
「今は」
皆顔をあげた。そうしてだった。
「フロンティアのことは万全に護りつつ」
「そのうえでギシン星を目指そう」
「今は」
こう話をしてだった。彼等は戦いに向かう。あらためてギシン星に進路を定める。ズールとの決戦をそこに見ていた。
第二十六話 完
2010・5・8
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