第二十五話 ハザルの策謀
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見せながらの言葉である。
「そう思うということはやましいことがあるのだな」
「それ以上言うとだ」
ハザルの目が明らかに怒っていた。そしてである。
「俺が貴様を直々に倒しに行くぞ」
「ほう、私をか」
「貴様のことは知っている」
ハザルも負けてはいなかった。
「貴様のことをだ。これでわかるな」
「ふむ。私をか」
「いいな、これ以上言うとだ」
「貴様と戦うのも面白いがだ」
ズールは言葉を微妙に変えてきた。そのうえでだった。
「だがそれでもだ」
「それでもか」
「今はこれで止めておこう」
これで実際に止めたのであった。
「今我等が戦っても何の意味もない」
「少なくとも俺は今貴様と戦うつもりはない」
ハザルも言う。
「今はだ」
「今はか」
「そうだ、今はだ」
また言うのだった。
「貴様の命置いておく」
「そうか。いいのだな」
「しかしだ。ロンド=ベルはだ」
「来るのだな」
「そうだ、貴様が何と言おうとだ」
こう言ってであった。遂にハザルは言うのであった。
「ロンド=ベルを倒させてもらう。いいな」
「どうしても来たいというのなら何も言わない」
「援軍という形でいいな」
「いいだろう、しかしその後でだ」
「先程の言葉、取り消すなら何もしない」
また怒りを露わにするハザルだった。
「しかし取り消さないのならばだ」
「言っておく。私はだ」
「貴様は。何だというのだ」
「この宇宙を支配する者になる」
不遜そのものの言葉だった。
「そう、ありとあらゆるものをだ」
「ふん、バルマーは父上のものになる」
だがハザルも負けてはいなかった。
「貴様が掴むものではない」
「だといいがな。だが」
「今度は何だ」
「人形、か」
不意にこんなことを言ったズールだった。
「人形だな」
「!?どういう意味だ」
ハザルはズールの今の言葉にいぶかしむ顔で返した。
「人形だと?」
「わからなければいい」
ズールも今は言おうとはしなかった。
「どうということはないことだ」
「そうなのか」
「では待っている」
また言うズールだった。
「今は共にロンド=ベルと戦おう」
「そうだな。今はな」
こうして二人は話を終えた。そのうえで今は戦いに向かうのだた。
ロンド=ベルはロゼの故郷から今度はギシン星に向かっていた。軍議の後で敵の本拠地を衝いて一気に終わらせることになったからである。
その進撃途中でだ。タケルが不意に言うのだった。
「ズールか」
「どうしたの、タケル」
「いや、どういう相手かと思ってね」
こうミカに返すのだった。
「一体ね。どんな奴かね」
「敵として、っていうことね」
「そうなんだ。一体どういう相手かな」
そのことをまた言うタ
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