第二十三話 解放
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このことだった。
「ただ意地や誇りだけのものではない」
「それがわかったのかよ」
「そうだ、わかった」
言いながらその剣を振るい敵を倒していく。
「騎士とは戦えぬ者の為に戦う者だ」
「へえ、キザなことを言うね」
「だが今はそう考えている」
否定しないのだった。
「私は最早誇りの為には剣を持たない」
「じゃあ今はなんだな」
「そうだ、今はあの惑星を解放する為だ」
ロゼの故郷であるその惑星を見ての言葉だ。
「その為にだ」
「よし、じゃあ俺もだ」
「そうね。それじゃあね」
トッドとマーベルも続く。彼等は一気に敵軍を突破した。
そうして反転してだ。その乱れた陣にさらに攻撃を浴びせる。そうしてその陣に合流する様に惑星から来た援軍も同時に叩くのだった。
「惑星の援軍まで」
「共に攻撃されています」
「予想外だったな」
これはゴッチも想定していなかった。
「まさかこう来るとはな」
「どうしましょうか、ここは」
「ワール司令からの援軍はまだ」
「ならばだ」
また戦術を換えるゴッチだった。
「守りに入る」
「防衛ですか」
「それだというのですか」
「そうだ」
まさにそれだというのだ。
「今はだ。いいな」
「はい、それでは」
「今はそうして」
「援軍を待つ」
ゴッチはこう判断した。
「いいな、それでだ」
「了解です。ではここは何とか」
「待ちましょう」
こうしてバルマー軍は援軍を待つ為に方陣を組んだ。そのうえで戦い続ける。そしてだった。
遂に来たのだった。援軍がだ。
「来ました!」
「援軍です!」
すぐにバルマー軍から歓声が起こった。
「何とか持ちこたえました」
「ではまたですね」
「いや、守る」
ゴッチは攻勢は否定した。
「今は守る」
「えっ、攻められないのですか」
「ここでは」
「そうだ、守る」
また言う彼だった。
「我等が敵を引きつけてだ。そうして」
「ワール司令の軍が攻める」
「そうするというのですね」
「その通りだ。だからこそだ」
守るというのであった。
「わかったな。そうするぞ」
「了解です、それでは」
「今は」
「全軍このまま方陣を組む」
あらためて指示を出した。
「そしてだ。敵を引きつけるぞ」
「勝利の為に」
「では」
こうしてゴッチの軍勢は守り続ける。そしてその彼の軍に向かうようにしてワールの軍が動いていた。
「司令、間に合いました」
「何とか持ちこたえています」
「ゴッチ閣下も健在です」
「うむ」
端整な顔の青年が応える。見れば彼も独特の艦に乗っている。
「そうだな。それではな」
「行きますか」
「すぐに」
「行く。しかしだ」
「何でしょうか、ワール司令」
「何か」
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